香港返還23周年を迎えた今年7月1日、中共の国家安全維持法が香港で施行されました。この日、多くの香港市民が街頭に出て悪法に反対するデモ行進を行いました。香港警察は、銅鑼湾(コーズウェイベイ)などで約370人を逮捕しましたが、その中には大紀元の新聞配布スタッフ4人も含まれていました。そのうちの1人は、囚人服を着ることを拒否したことで、香港警察に「本土に送り生きたまま臓器を摘出してもらう」と脅されました。
大紀元の新聞配布スタッフの娟(けん)さんは法輪功学習者でもあり、香港でデモが行われる時には大紀元の出版物や「天滅中共」のポスター、ステッカーなどを配布していました。これまでは警察が介入することはなかったといいます。しかし、国家安全維持法の施行後、7月1日午後2時にいつものようにコーズウェイベイで配布物を配っていたところ、警察に逮捕されました。
大紀元配布スタッフ 娟さん
「突然警察が来て、規制線を張り出したので、私は帰れなくなった。当時はどういうことかまだわからず、取り調べが終わったら帰らせてもらえると思っていた。しかし長く待たされたあげく、最後に警察署に連行され、ようやく逮捕されたとわかった」
法輪功学習者である娟さんと他の3人は、北角(ノースポイント)警察署に連行されました。そこにはデモ現場で逮捕された100人以上の香港市民が拘束されていました。娟さんらは無実を主張し、囚人服を着ることを拒み続けたところ、男性警察官に「本土に送って臓器を摘出してもらう」と脅されていたといいます。
大紀元配布スタッフ 娟さん
「(婦警が)3回も私に囚人服を着せようとしたが、私は拒否した。その後彼女は強要しなかった。私の後ろにいた警官の声が聞こえてきた。『署名もしない、(囚人)服も着ない。ならば大陸に送って、生きたまま臓器を摘出してもらう』」
中国本土で行われている法輪功学習者に対する臓器狩りの報道を思い出し、娟さんは思わず涙がこぼれ落ちました。
大紀元配布スタッフ 娟さん
「それを聞いて私は涙を流した。そして彼に詰問した。『あなたは一体何人を臓器摘出のために大陸に送ったのか?何回関与したのか?もし関与したならば、マスクを外しなさい。あなたの顔を覚えて、あなたたちがやったことを全世界に知らせる。あなたたちは全員中共の臓器狩りを、このような邪悪なことを認めているのか?』当時警官が大勢いたが、誰も声を出さなかった」
別の配布スタッフ、艶さんは、前日に警察官から「国安法施行後はもうビラを配ってはいけない」と警告されました。艶さんはその警察官に中共の真相について話してあげたといいます。
大紀元配布スタッフ 艶さん
「その日、警官は『今回は最後の一回だ』と私に言った。帰ってから、7月1日以降は我々大紀元スタッフに対しても態度が変わるのかなと心配になったが、やはり変わった」
国家安全維持法が施行されたため、艶さんと娟さんは身の安全を心配しながらも、人々に中国や香港の真相を伝えるために、引き続き街頭に立っているといいます。
大紀元配布スタッフ 艶さん
「現在、香港の多くのメディアが中共に掌握され、香港政府も中共にコントロールされている。共産党の宣伝のみで、別の声が聞けなくなると、ゆくゆくは大陸のように、洗脳されていく」
香港大紀元の報道官は、香港警察による無差別逮捕を強く非難し、香港の人々の知る権利を守るために、悪法を恐れることなく真実を報道し続けると強調しました。