中共の防疫対策に苦しむ高齢者 健康コードは本当に健康なの?【禁聞】

ある動画がネット上で議論を巻き起こしました。動画ではある年配者がスマートフォンを持っていないために、健康コードを提示することができず、仕方なく安徽省から浙江省まで歩いて行きました。さらに健康コードを利用して人々の情報を収集している地方政府は、さらに多くの個人情報を引き出すよう画策し、多くの人の不信感を招いています。

中共はウイルスの防疫対策の一環として、感染の有無を色付きのQRコードで表示する「健康コード」で健康確認および感染者の追跡を行っています。感染リスクの高さに応じて「赤、黄、緑」の色に分類されています。

6月17日、トラック運転手の劉さんが仕事を終え、浙江省台州市から帰宅途中に、ある年配の男性が彼に向って手を振っているのが見えました。

トラック運転手 劉さん
「ちょうど山の中腹で、彼はリュックをしょって、道端に立って手を振っていた。夜遅い時間だったので、私は止まって彼を待った」

年配の男性は安徽省毫州市(はくしゅうし)の人で、子供はいなく、浙江省台州市黄岩区(こうがんく)の親戚の所に身を寄せ仕事をするつもりだったと言います。

トラック運転手 劉さん
「彼は携帯がないために、健康コードが提示できず、バスに乗ることができなかった。 なのでひたすら歩き、十数日歩いたそうだ」

劉さんは年配の男性を食事に連れて行きましたが、男性は劉さんに固守してお代を返しました。その夜、劉さんに迷惑をかけないよう、年配の男性は公園で野宿すると言って聞きませんでした。

動画はネットユーザーの議論を引き起こしました。安徽省亳州市から浙江省黄岩区までは、車で行くと950kmの距離があり、徒歩では想像がつきません。ネットユーザーらは様々なコメントを残しています。

「今の世の中は高齢者や低収入の人たちにとって、とても不親切だ」

「頼るところもなく孤独で貧しいと形容するしかない」

「国外を援助しないで、これらの人を助けたらどうだ」

北京市民の宇さん
「これこそ今ビッグデータを使って人を監視する、社会全体に対する危害だ。携帯がない人や買うお金がない人、もしくはそもそもスマホを使えない人にとって、数百キロを歩いたこの出稼ぎ農民のみならず、彼は仕事をしに来た。彼はまだ歩けるが、歩けない人はどうしろと?家で餓死しろと?」

中国市民の馬さん
「そうだ。彼らは中国人全員が携帯を使っている思っているのか?この事件は健康コードの問題だけでなく、事実上、彼らのこの政権は、全く貧しい人の気持ちや苦境を考えたことがない」

6月20日、年配の男性は動画の中で、故郷の人が迎えに来てくれて、家に帰ったことを明かしました。

健康コードによって難癖をつけられた人はこの年配の男性だけではありません。今年3月、江蘇省鎮江市(ちんこうし)でバスに乗車していた複数名の高齢者が、高齢者用携帯を使用していたため健康コードを表示できず、他の乗客から下車させられました。

動画
「早く下車させないと通報するぞ!このままだと私たちも行けなくなる」

動画
「7駅分の道のりをだいたい35分も待ってやっと来た。おかしいと思ったんだ。どうしてこうなった?私が乗車してから多くの高齢者が、高齢者用携帯ではコードスキャンができず、ほかの乗客に追い出されていた。とにかくかなりの高齢者が次々に下車させられた。少なくとも5〜6人はいた」

黑龍江省五大連池市にも、ある年配の男性が高齢者用携帯では健康コードが表示できず、居住区の警備員が通行を阻止したところ、口論になり、ついには殴り合いまでに発展しました。

北京では6月から疫病の第二波が襲来し、市民の宇(う)さんは、至る所でスマホによる健康コードの提示が必要となっていると言います。

北京市民 宇さん
「私の居住区がそうだ。私はこの間、通行証の手続きをしに行ったが、携帯を忘れていた。相手は頑なに携帯がなければ手続きはできないと言った。北京の多くの所では、高齢者が公園に出かけたりするが、スマホ(コード)がなかったら、この疫病が蔓延する状況下ではどこも入れない。以前は高齢者証だけで入れたが、今はこのような状況だ」

しかし、中国では至る所で健康コードが必要となっているが、中共ウイルスに感染しているかどうかは分からないといいます。

中国市民 馬さん
「私たちのこの健康コードは一斉検診を受けたことがない。自己申告してから、村や居民委員会が証明書を発行するか何かをして、健康コードが与えられる。一斉検診はなく、検査の精度は非常に低い。なので多くの無症状感染者がその中に混じっている」

この他にも、防疫対策の名のもとで実施された健康コードも次第に変貌しています。健康コードを率先して推し進めていた浙江省杭州市(こうしゅうし)はさらに、色が変化する健康コードを推進し、大量の個人データを収集し、評価しています。個人の1日の動き、飲食、睡眠など全てを監視してスコアをつけるため、これは市民のプライバシーを侵害し、金儲けに利用しているのではないかと疑われています。

さらに江蘇省蘇州市は、健康コードを格上げし、個人の証明写真データなどと一体化させる「蘇州市コードアプリ」を開発しました。このアプリを普及させるため、地元の一部の部門は、このアプリをインストールしていない者には居住区や公共機関への立ち入りを禁止するなどの強硬手段を取っています。また会社や学校にも「蘇州市コードアプリ」に新規登録するように命じました。

 
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