中国では洪水が猛威を振るっているほか、バッタの大群やヒョウの発生などによって食糧問題がより深刻化しています。中共が「畑を掘り起こして穀物を作付け」するよう各地に要求するなか、貴州省では穀物庫の火事が発生しました。専門家は、穀物庫の耐火基準は非常に高く通常の状態では火災は起こりえないため、中共地方政府高官が赤字を隠蔽するため、放火したのではないかと指摘しています。
7月1日午後6時ごろ、貴州省都勻市(といん-し)沙包堡街道事務所の食糧備蓄庫で火災が発生しました。当局はその日の午後7時半に消火活動を終え、火災面積は約200平方メートルで、出火原因はまだ調査中と発表しました。
黔南(けんなん)プイ族ミャオ族自治州緊急管理局は、火災による死傷者はないと発表し、ネットユーザーに対しデマを信じたり広めたりせず、プラスのエネルギーを積極的に広めるよう呼びかけています。
都勻食糧庫のとなりは小学校で、さらに住宅地からも近く、火事によって人々がパニックに陥ったことも分かっています。インターネット上では議論がわき起こり、食糧庫の突然の火災は放火だったのではないかとの声も上がっています。
ある農業専門家は匿名を条件に、食糧庫の壁と屋根は不燃性の素材でできているため、通常は失火が起こることは考えられないと指摘しています。
匿名の農業専門家
「すべての食糧庫もそうだが、食糧庫に限らずすべての備蓄庫の耐火基準は非常に高い。しかも穀物は可燃物ではない。穀物備蓄庫の穀物は外部との接触が絶たれているうえ、非常に乾燥しているため、発酵による自然発火も起こりにくい。食糧庫で使用される電力は基本的には換気用で、配線も外部に配置されている。食糧庫の構造材はすべて耐火材で、引火はあり得ない」
現地住民の唐さんは大紀元の取材に対し、「火事は自宅付近で起きた。都勻市第八小学校と同じ方角だ。火事が起きたとき、子供はまだ学校の学童保育にいた。火が激しくなって濃い煙がもくもくと出て、どこが火元かもはっきりせず、どうしていいか分からなくなった」と述べています。
食糧庫で長年働いてきたというある人物はインターネットに、「昔の木造食糧庫から出火した場合だと、建物は燃え尽きても食糧は外側の一層しか燃えなかった。これほど濃い煙は見たことがない。現地政府がガソリンを撒いて火をつけたに違いない」と投稿しています。
中国財政部の前所長、梁恵民さん
「つまり『ネズミ』が多すぎるからだ。調べてみればすぐに分かることだ。食糧を陰で売り払い、損失が出たので燃やしたのだ。燃やせばあいまいにできるから」
中国財政部の前処長、梁恵民(りょうけいみん)さんは、北京に本部を置く「中国儲備糧集団」は、中央の備蓄用の穀物と油の貯蔵を担当する会社で、全国各地の食糧庫を大量に管理していると説明しています。
2013年5月から中国共産党中央規律検査委員会第一回視察グループが中国儲備糧集団に対する視察を開始して以来、食糧庫の火災が頻発しています。黒竜江省林甸県(りんてんけん)直属倉庫の78の備蓄場、吉林省洮南市(とうなん-し)大通(だいつう)食糧備蓄庫、河南省焦作市(しょうさくし)、江西省貴溪市(きけい-し)などの食糧庫はどれも「思いがけない」失火に見舞われています。
匿名の農業専門家
「如何なる物も燃えたら必ず灰と燃えカスが残る。食糧庫の焼け跡がこんなにきれいだろうか?知っての通り、食糧庫は一棟ずつ、一列ずつ建っている。そのすべてから出火が起こり得るだろうか?もしこの線で調査し続けるのであれば、なにも見つからないわけがない。これは調べる方法のない腐敗だ。『腐敗』という言葉も適切ではなくなった。これは完全な壊滅だ。腐りきっている」
ラジオ・フリーアジアは情報提供者の話として、「現在重慶市のいくつかの食糧庫の中身の上の方は穀物だが下はすべて砂で、先月は2つの食糧庫の主任が自殺した。食糧の備蓄はすでにかなり貧弱になっている」と報じています。
あるネットユーザーは、「国の食糧備蓄庫の中間管理職が、国の食糧庫は基本的にからっぽだと暴露した。前に検査した焼けた食糧庫が証明している。疫病の後には食糧難が来る。死にたくなければ食糧を買って貯えろ!」と投稿しています。
最近では、全国各地の農民が現地政府から畑を耕し直して穀物を作付けし、水田耕作地はすべて稲を植えるよう求められています。
また一部地域は「今年の食糧は、現在のマスクのようなもの」とのスローガンを掲げています。
また、中共当局はこのほど、地方政府が動員した予備役を中央軍の管轄下に置き、民兵組織の武力の発展を声高に宣伝しました。
これらの状況は、中共が戦争と飢饉に備えた鎖国路線に戻ろうとしているのを表していると考える人もいます。