情報検閲と偽ニュース配信 インドで元従業員がアリババを提訴

インドの元アリババ従業員が、検閲やフェイクニュースに反対したことで解雇されたとして、アリババとその創業者ジャック・マー氏を相手に民事訴訟を起こしました。 インドの裁判所は、アリババとジャック・マー氏に対して召喚状を出しました。

ロイター通信が入手した7月20日の法廷文書によると、インドのグルグラム地方裁判所の民事裁判官は、アリババとその創業者のジャック・マー氏を含む10人以上に7月29日に出廷するよう召喚状を出しました。これはアリババ傘下のUCウェブの元インド人従業員が、同社アプリで行われていた検閲やフェイクニュースの配信に異議を唱えたことで不当に解雇されたと考え、訴訟を起こしたからです。

召喚状によると、裁判官は会社と幹部に対し、30日以内に回答書を提出するよう求めたといいます。

この事件の数週間前、インド軍と中国軍が国境付近で衝突し、インド政府が国家安全保障上の懸念からアリババの「UCニュース」「UCブラウザ」や、「TikTok」「WeChat」「Weibo」など59の中国製アプリを禁止しました。その後、アリババのUCウェブはインドで従業員の解雇を開始しました。

元UC Web従業員の弁護士 ヴィナヤク・グプタ氏
「損害報告および賠償の要求はすでに提出し、民事訴訟も起こした」

法廷文書では、アリババのUC Webオフィスの副所長を務めた元従業員のパーマー氏が、同社が中国にとって好ましくないコンテンツを検閲し、同社のアプリ「UC ブラウザ」と「UCニュース」がフェイクニュースを引用して「社会的・政治的不安を引き起こした」と述べています。

パーマー氏は約26万8000ドルの損害賠償を求めています。

200ページ以上に及ぶ法廷文書の中で、パーマー氏は、UCニュースによる虚偽の情報のスクリーンショット証拠と、中国にとって不都合なコンテンツを検閲し、フィルタリングするための「検閲ワードリスト」を提供しました。

 
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