7月24日、東北部の黒竜江省ハルビン市の団結村の村民が、ハルビン市で22日に突然の豪雨と雹が発生し、地元の食糧や住宅に深刻な被害が出ていると明かしました。また、雹に打たれて死亡した村民もいるが、地元政府は姿を見せず、報道もされていないと述べました。
7月22日午後、黒龍江省ハルビン市で雷や暴風を伴う集中豪雨と雹が発生し、市内の道路が浸水し、多くの車両がヒョウに打たれて破損しました。
ハルビン市香坊区(こうぼう-く)の黎明街道の管轄下にある団結村も大きな被害を受けたと地元住民は話しています。
ハルビン市香坊区住民 廖さん
「22日午後2時すぎ、ハルビンの平房区と香坊区で強風を伴う豪雨と雹が発生し、40分以上続いた。私がわざわざ見に行ったが、とうもろこし畑全体が、ほぼ全部倒れていた。今年の収穫はゼロだ。樹木も多くが強風で折れた」
団結村村民 趙さん
「強風に大雨と雹、100年に一度あるかないかのレベルだ。農作物の被害は深刻で、とうもろこしは絶望的だ。家屋もガラスが割れ、屋根が吹き飛んだ。うちの家も3分の1が吹き飛び、22メートルの3分の1が吹き飛んだ。修理に6000元(約9万円)かかりそうだ」
村民が提供してくれた写真には、屋根が全てなくなっている家もあれば、トタン屋根がめくられ、トタンがひび割れたり軒先からぶら下がっている家もあります。腕の太さほどの木が腰から折れており、地面には枝葉が散乱しています。また、トウモロコシはそのほとんどが折れています。
住民の廖さんによると、雹に打たれて死者も出たといいます。
近隣住民 廖さん
「李宏という60歳の男性が、帰宅途中にこの暴風雨に遭遇し、雹にに打たれて死亡した。当日、約2時間後に現場に行ったが、雹を計ってみると、大きいのはガチョウの卵ほどの大きさで、空から落ちてきたら死ぬのはおかしくない」
団結村村民の趙さんによると、死亡者は7月24日に火葬されました。
団結村村民 趙さん
「彼は麻雀に行っていたが、帰るときに『これはいい雨ではない』と言っていたそうだ。帰宅途中、他の人も雨宿りしてから帰るように勧めたが、大丈夫と言って出て行ったものの、80メートル先で倒れた。発見された時はすでに脈がなかった。目も閉じていた」
趙さんによると、22日以降、地元当局からは誰も来ていないといいます。
団結村村民 趙さん
「政府からは誰も来ていない。町内会事務所の人すら来ていない。来てもどうしようもない。しかし、少なくとも慰問ぐらいはするべきでは?農作物の被害は天災だとしても、100年に一度の特大強風を伴う豪雨と雹だ。死亡者まで出たのに、見に来る人すらいない。なんてところだ」
ハルビン市の雹害について、中国メディアでは簡単な報道がありましたが、廖さんによると、団結村での死傷者についての報道はなかったといいます。
ハルビン市住民 廖さん
「報道はしていない。今日に至っても、政府と福祉部門の誰も来ていない。メディアの報道もない」
団結村村民 趙さん
「私は普通の村民に過ぎないが、この件に関しては不満に思う。政府は民生に無関心すぎる。政府は独断專行で民生は無視している。私は元々政府に反対していなかったが、今はますます出鱈目になっている。以前は共産党を信じていたが、もう信じなくなった」
団結村やその周辺の被災地の農家が政府から補償を受けられるかどうかはまだ不明です。地元住民は、彼らの窮状にもっと注目してほしいと述べています。