短編動画投稿アプリTikTokは日本の若者の間でも人気があり、利用者は1000万人以上と見られています。インドがTikTokなどの中国製アプリを禁止したことに続き、日本の自民党議員連盟もTikTokを含む中国製アプリの利用制限や法律による規制を検討しはじめています。
TikTokを巡って、米国政府が国内での利用制限を検討しているほか、インドも使用禁止を発表しています。日本では自民党の甘利明税制調査会長が会長を務める「ルール形成戦略議員連盟」は28日に会合を開き、アプリ利用者の個人情報の流出を防ぐため、中国系アプリの利用規制に向け、政府に法整備を求める方針を確認しました。
NHK
「アメリカ政府は利用者の個人情報が中国政府に渡る恐れがあるとして、利用の禁止を検討しています。こうした中、自民党の甘利税制調査会長が会長を務める議員連盟は、今日会合を開き対応策を検討することにしています」
インドは6月に国家安全保障上の理由から、TikTokを含む59の中国製アプリを禁止し、最近ではさらに47の中国製アプリを利用禁止にしています。
アメリカでも最近、下院と上院の委員会でTikTokを禁止するための法案を複数可決しました。トランプ大統領は29日、ホワイトハウスの記者会見で「TikTokの利用禁止を決めるのか」と聞かれた際、「TikTokについて何らかの決定をしようと考えている」と述べました。
また先日は、プライバシー保護機能が強化された、iOS14ベータをインストールしたiPhoneで文字入力すると、TikTokアプリがクリップボードの内容を常時取得している様子が明らかになっています。
中国問題専門家 ゴードン・チャン氏
「インドが数週前にTikTokおよび他の58の中国製アプリを禁止したように今週、米国がTikTokを禁止してほしい。これは我々にとって非常に重要で、多くのことが発生している。指摘しないといけないのはTikTokの大量の監視操作、全ての情報がTikTokや他の中国アプリによって中共の情報部門に送られることだ」
議員連盟はまた、中国が開発した人工知能を融資の審査などを行う銀行システムに利用することで、個人情報が流出する可能性があることを指摘し、今後も議論を重ね、政府に利用を制限する法律の制定を申し入れるとしています。
議員連盟は政府に、国際社会の動きと歩調を合わせた対応を求めています。早ければ9月にも提言をまとめて政府に申し入れ、利用者にも注意を促す方針です。