11月3日の米国大統領選挙まで残り2か月余となりました。民主党のバイデン大統領候補と副大統領候補のカマラ・ハリス氏が正式に指名を受け、政策演説を行いました。トランプ大統領は、バイデン氏が米国を暗黒の国として描き、中共が米国にもたらす脅威を無視していると批判しました。
元米副大統領 ジョー・バイデン氏
「私は誇り高い民主党員だ。大統領選挙で党の代表として戦うことを誇りに思う。私は謹んで、アメリカ大統領候補の指名を受諾する」
元米副大統領のジョー・バイデン氏は8月20日、デラウェア州ウィルミントンのチェイスセンターで、民主党の大統領候補指名を正式に受け入れ、演説を行いました。
「希望・光・愛」と題したバイデン氏の演説では、国内政策である就業、税金、医療、パンデミックへの対応、人種問題などに焦点を当てました。内容はかなり幅広く、外界からは中身がないと言われています。
その前日、カリフォルニア州のカマラ・ハリス上院議員が副大統領候補の指名を受け入れ、初の黒人、南アジア系の副大統領候補者となりました。
民主党副大統領候補 カマラ・ハリス氏
「確信を持って戦おう。希望を持って戦おう。自信を持って戦おう。自分に自信を持って、互いとの関わりに自信を持って」
カリフォルニア州の司法長官を長年務めたハリス氏は、2017年にカリフォルニア州上院議員となり、2020年米大統領選の民主党候補に出馬しましたが、選挙資金が不足していたため、昨年12月に大統領選撤退を発表しました。昨年夏の弁論では、バイデン氏の人種差別発言を厳しく批判し、バイデン氏がかつて人種差別主義者とも協調していたと批判しました。
黒人のジョージ・フロイド死亡事件発生後、ハリス氏は警察制度の抜本改革や、グリーン・ニューディール(Green New Deal)政策を支持し、増税や無料の医療、無料の大学といった極左寄りの姿勢を支持しています。
外界の関心が集まっている対中政策について、バイデン氏は演説の中で「医療機器や防護用品を米国内で製造し、中国や他の国に振り回されないようにする」と一度だけ中国に言及しました。
いっぽう、トランプ大統領は21日の国家政策会議での演説で、バイデン氏は、現時点で米国で切実に必要とされている法と秩序を無視しているだけでなく、中共が米国に突きつけている全方位的な脅威も無視していると批判しました。
トランプ大統領
「彼が当選したら、中国(共)は我が国を有することになる。だが我々はそうさせない。皆さんは既に情報報告を目にしたと思うが、中共はバイデンの勝利を切望している」
昨年、バイデン氏の息子が中共から巨額の資金を受け取っていたことが発覚し、バイデン氏が当選すれば米国は中共の言いなりになる可能性が高いとの見方が広がっています。
トランプ大統領
「こんなにも長い間、中国(共)のように米国のお金を騙し取った国は他にない。私より前の大統領、特には私の前任はそれを許した。そしてバイデンとその息子は中国から15億ドルを受け取った。つまり、毎年数千万ドルだ。これは不名誉なことだ」
このほか、トランプ陣営は、77歳のバイデン氏が認知症を患っている可能性があると批判しています。
世論調査機構「ラスムセン・レポート」が8月10日に発表した世論調査によると、米国の有権者の59%が、もしバイデン氏が選挙に勝利した場合、大統領任期終了前に副大統領に引き継がれる可能性が「高い」と考えており、39%が「可能性が非常に高い」と考えていることが明らかになりました。民主党の支持者さえも有権者の49%が4年以内に副大統領が大統領になる可能性があると信じています。
ラスムセン(Rasmussen)が22日に発表した別の世論調査によると、民主党大会が開幕した週には、有権者の間でトランプ大統領の支持率は下がるどころか上昇し、17日の47%から51%になりました。また、共和党支持者の間では96%とさらに高くなっています。