台湾訪問中のチェコのビストルジル上院議長が国立政治大学で講演を行いました。実は、早くも2004年にチェコのバツラフ・ハベル(Vaclav Havel)元大統領が台湾を訪れ、チェコと台湾の友好を築きました。ハベル氏は1989年、チェコの共産党政権を打倒して民主化に導きました。今回ビストルジル氏が再び台湾を訪問し、ハベル氏の民主と自由への擁護の精神を受け継いでいます。
チェコのビストルジル上院議長
「ハベル氏が2004年にこの大学を訪問した時は、すでに大統領の任期を終えていた。だが彼は永遠にチェコ共和国の大統領であり、現代チェコの民主主義と自由の父である」
ビストルジル氏は台湾の国立政治大学での講演で、2004年に台湾を訪問し、当時の陳水扁総統から名誉勲章を授与されたチェコのハベル元大統領を偲び、台湾とチェコの友好関係の基礎を築いたことを称えました。ビストルジル氏はまた、ハベル氏を台湾民主化の父である李登輝氏と比較し、台湾とチェコは共に自由と民主化への困難な道を歩んできたと述べました。
そして1989年、40年以上にわたるソ連の支配の後、当時劇作家だったハベル氏は共産主義を打倒し、チェコを民主化へと導くために「ビロード革命」を起こしました。
チェコのビストルジル上院議長
「その中で最も著名な人物がハベル氏だった。このことは我々に力を与えてくれ、ビロード革命で自由を獲得することができ、全面的な民主主義のための建設を始めた」
今年1月に急死を遂げたチェコのクベラ元上院議長も、1989年のビロード革命に参加していました。クベラ氏は昨年、台湾を訪問する予定でしたが、台湾訪問の1か月前に急死し、後に妻と娘がテレビ番組に出演して中共大使館の脅迫を暴露しました。
クベラ元上院議長の娘 ヴェンドラ氏
「手紙を読んで怖くなった。一通目は中国大使館からで、私を脅迫するようだった。別の手紙も発見したが、それは大統領府からだった。恐ろしすぎることで、私たちはその時に気分が悪くなった」
5月20日、チェコ上院はビストルジル氏の台湾訪問案を50対1で可決し、今回のチェコと台湾の交流にいたりました。チェコにはまだ大統領など、親共産党派がいますが、ビストルジル上院議長は、ハベル元大統領の精神である「自由は命と同じくらい尊い」という民主主義の価値観を守り続けています。