米国務省は先日、中共がここ数年の間に行った環境破壊に関する報告書を発表しました。その被害は中国国内だけでなく、世界に広がっています。
米国務省は 9月25日、情報リスト「中国の環境破壊(China’s Environmental Abuses)」を発表しました。このリストには中共による11の主な環境破壊について記されており、温室効果ガスの排出、オゾン層の破壊、大気汚染、水銀の垂れ流し、野生動物の違法取引、違法な伐採とその取引、ごみ処理、一帯一路、廃棄物の海洋投棄、違法な漁労(ぎょろう)とメコン川の水の人為的なコントロールなどが挙げられています。
報告書には、「中共は世界最大の温室効果ガス排出国であり、世界最大の廃棄物海洋投棄元であり、違法で管理されていない、未許可の最も深刻な漁業活動を行う犯罪者であり、世界中で野生動物を違法に売買し、木材製品の最大の消費者である」と記されています。
さらに報告書には、中共の行為はすでに中国の生態環境を大きく破壊したが、中共はいまだに天然資源の採取を続け、「一帯一路」を通じて世界に輸出し、世界の経済と人々の健康を脅かしているとも記されています。
ポンペオ国務長官が「中共の経済活動の多くは、空気や土地、水の質を意図的に無視することによって成り立っている」と発言したように、中国共産党は市民社会と報道の自由を抑圧し、世界の人々と中国人に利益をもたらさないようにしているとも記されています。
法学者 袁紅冰氏
「中共の環境破壊に関する米国の報告書に挙げられている具体的な現象はすべて真実だ。だが私たちは、中共がこのようなことをする理由を明らかにしなければならない。中共には基本的な目標がある。それは世界に全体主義を広めて米国に変わって国際秩序の立法権を掌握し、すべての人類の運命や国際秩序を支配すること、そして彼らが共産党宣言の中で言っているように、全世界を手に入れるという政治目標を実現することだ」
大気汚染問題については、報告書の中で2008年に米国の外交官が北京のアメリカ大使館の屋上に大気質モニターを設置してデータを共有したことで、北京の空気の質がかなり前から危険なレベルに達していたことが明らかになっているとも記されています。
中国の危険な工業プロセスによって、中国は世界最大の水銀排出源となりました。報告書では、水銀は神経毒の一種で、大気や水や土壌が水銀で汚染された場合、人々の健康に深刻な問題を引き起こす可能性についても言及され、中国の多くの石炭火力発電所や国有企業、他国に投資して建設された発電所から発生する水銀が大気を汚染しており、その規模は世界ワースト1位になっていると記されています。
法学者 袁紅冰氏
「共産党の邪悪な本性、悪魔の本性によって次のことが決定づけられている。彼らの本当の目的を実現するため、彼らは人類のその他の利益、例えば環境保護や資源保護、気象問題などにまったく興味がない。彼らが政治で考慮するなかにそれらは含まれていない。彼らが追求しているのは全世界をコントロールすることだけだ」
報告書によると、中国は世界最大の温室効果ガス(GHG)排出国で、世界の総排出量の1/3を占めています。また中国は世界最大の野生動物消費国であるほか、違法に伐採された木材製品関連の取引に資金を提供し、腐敗と国境を越えた組織的犯罪を増長させているとも記されています。
また、中国国内のプラスチックごみのうち少なくとも13%は管理されておらず、環境汚染を伴う形で環境に直接排出されているとして、その量は毎年数百万トンのプラスチックごみを生産するに等しいとも記されています。
それだけでなく、中共が海洋投棄しているプラスチックごみは漁業や旅行業界などに毎年数十億ドルの損失をもたらしているだけでなく、食品の安全と人々の健康を脅かしてもいます。
蘇州の太湖付近の住民は新唐人テレビの取材に対し、当局が過剰な開発を行ったため、太湖の水がひどく汚染されてしまったと明かしています。
「太湖護衛兵」の呉立紅氏
「江南の太湖のように、私たちが今、家で飲んでいる水はすべてお金を出して買ってくるダムの水だ。水の都に水不足をもたらしたのは誰だ?人間だ。工業化革命がもたらしたのだ。特に中共政府が商業開発のためにあちこちにダムを建設し、湖を埋め立てた。ここら一体の生態系と水の流量はすべて破壊された。魚やエビは全部汚染された。そのうえ人間が漁を行うため、この生態系の連鎖の質はますます悪化するだろう」
報告書にはさらに、中共が公海や他国の水域で操業する漁船団に助成金を出しているとも記されています。これらの漁船は頻繁に他の沿岸国の管轄権を犯し、無許可で勝手に漁を行っています。
また、中共は巨大なダムを操作し、不透明な水資源管理方法やメコン川上流の水流を一方的にコントロールして、下流の国々に災害をもたらしているとも指摘しています。