大紀元はこのほど、北朝鮮の核実験に関する中共の内部文書を入手しました。北朝鮮は2016年に初めて水爆実験を行いましたが、その後中共内部のシンクタンクはこの核実験による中朝国境地帯にもたらす脅威について分析し、当局に対応策も出していたことが明らかになりました。
大紀元はこのほど、吉林東北アジア研究センターの胡明遠副研究員が執筆した「北朝鮮水爆危機」に関する内部文書を入手しました。北朝鮮が2016年1月に行った水爆実験の場所は中国との国境に近く、放射能漏れや核戦争が起きた場合、吉林省が最初に被害を受けることが予想されています。
時事評論家の李林一氏は、この報告書は、核実験が中朝国境地帯の経済発展や「一帯一路」戦略に与える影響について指摘していると述べています。
時事評論家 李林一氏
「報告書は北朝鮮の核実験後、中朝国境の軍事配置の強化や突発事件を防止を求めており、当時の水爆実験は、中共の一帯一路、さらには中共の東北部経済振興計画にも大きな影響を与えているとしている」
報告書ではまた、「この核実験により、マグニチュード4.9の地震が発生したが、北朝鮮が行ったのが水爆実験なのかどうかについては、まだ検証できていない」と述べています。
また、吉林東北アジア研究センターが調査し、吉林省副省長が承認した別の報告書では、中国と北朝鮮の国境で深刻な軍備不足が発生していることに言及しています。この文書では、金正恩氏が政権を握った後の北朝鮮政府の対中政策に変化が現れていることにも言及しています。
時事評論家 李林一氏
「この報告でも言及しているが、金正恩は2014年中朝国境を視察した際に、中朝国境は、米国、日本、韓国、さらには中国側勢力が北朝鮮に対するスパイ浸透と機密窃取を行うための主なターゲットであると述べた。そして、中共国境の危険度は38度線を超えているとも言ったが、とても厳しい言い方だ。このことから、北朝鮮は金正恩のリードの下で完全に中共の傀儡になることを嫌がっていることがうかがえる。中共の内部報告書もこの点を証明している。これで中共と北朝鮮の関係がもっとはっきり見えてきた」
李林一氏は、このことから分かるように、中共が北朝鮮を部分的にコントロールすることはできているが、金正恩氏の支配下にある北朝鮮も政治的自由を得たいと考えており、中共の言うことを完全には聞かない可能性があり、中共、北朝鮮、韓国、米国の4者間の連動が比較的複雑であることを示していると指摘ています。