SNS大手の言論統制 SNS保護の「セクション230」再定義の必要性

SNS大手がバイデン一家のスキャンダルのニュースをブロックしたことで波紋が広がっていると同時に、SNS企業に対する法的保護の根拠になっている「セクション230」も議論を呼んでいます。米連邦通信委員会(FCC)は10月15日、セクション230の定義を明確にする声明を発表しました。

いわゆる「セクション230」とは、1996年に制定された米通信品位法第230条のことで、SNSプラットフォーム企業が第三者の発言に対して責任を問われることがないように、その核心部分を保護するものです。しかし、この条項は、SNSが「善意の目的」のためにいくつかの「攻撃的なコンテンツ」を制限することを可能にするという内容も含まれています。

時事評論家 田園氏
「彼ら(facebookやtwitter)の主張は、『我々は人種差別の内容を見たくないので、セクション230による免責を求める。そして我々は言論の自由を違反しない状況下で、みんなが見たくない内容を削除できる』ということだ」

セクション230はもともと新興のインターネットメディアを保護するために導入されたものでしたが、SNSの成長と拡大に伴い、セクション230はますます議論を呼ぶようになりました。米国の保守派は、大手SNSがセクション230を使って保守的な言論を意図的に制限していると考えています。

時事評論家 田園氏
「Facebookは、未確認の情報は拡散したくないと主張している。少し前に起きた事件だが、アトランティック・マンスリー誌が三人の匿名希望の人物から、トランプ氏が第二次世界大戦で戦死した兵士を負け犬と呼んだとの情報を入手したという。このような全くの未確認の情報がTwitterやFacebookで大々的に拡散できるのに、バイデン一家の電子メール事件は拡散されない。これらのSNSがやっていることは、歓迎されない情報を削除することではなく、彼らの基準に基づいて特定の政党の肩を持っている」

トランプ大統領は15日、ノースカロライナ州で行われた集会で、セクション230の即時廃止の必要性を改めて強調しました。

トランプ大統領
「彼(バイデン)とその家族は不正を働いて、それをつかまれた。彼らはいま、テック企業から守られている。我々はセクション230のテック企業に対する保護を即時に廃止すべきだ」

セクション230を改正または廃止するには議会による再制定が必要であるため、短期での達成は不可能です。しかし、米連邦通信委員会(FCC)は、既存のセクション230を解釈する権限を持っています。

時事評論家 田園氏
「まず、FCCは詳細に定義することができる。どのような言論が対象で、どのような言論が対象でないかなど。第二に、FCCは業界監督管理委員会を設立し、SNSがある言論が不適切であると判断した場合、この言論を委員会に提出し、委員会が仲裁を行い、判断を下す。FCCはほかにも、現在のような明らかなルール違反の行為に対し直ちに訴訟を起こすこともできる」

10月23日には、ツイッターのCEOジャック・ドーシー氏が上院司法委員会の公聴会に出頭する予定で、セクション230に関する問題は議論の焦点の一つになることが予想されています。

 
関連記事