14か月間失踪 香港反送中デモで英国旗を振っていた女性

昨年香港の反送中デモ現場では、イギリス国旗を振る女性の姿がたびたび目撃されていましたが、8月以降、その姿が見えなくなりました。近日、この女性が中共当局によって収監されていたことが明らかになりました。王鳳瑤(おうほうよう)というこの女性は14か月ぶりに香港に戻り、メディアの前で自身の処遇について語りました。

今年64歳の王鳳瑤さんは、昨年の反送中デモ現場でイギリス国旗を振る姿がたびたび目撃されていましたが、8月11日を最後に姿が見えなくなりました。

今年10月、香港に戻ってきた王さんは2週間の隔離期間後に、メディアの前に姿を見せました。王さんによると、昨年8月14日に広東省深セン市の自宅に戻るときに、中共の警察によって逮捕されました。警察や国家安全部門の尋問を何度も受け、深センの自宅も家宅捜査され、上訴を放棄する保証書に強制的にサインさせられました。

その後、昨年8月30日から9月29日まで、深セン第三拘置所に刑事拘留されましたが、その際、45平米の部屋に16人が収監されていたといいます。拘置所の環境は劣悪で、シャワー室にまで監視カメラがついており、さらに血液と指紋を採取されたといいます。

香港市民 王鳳瑤さん
「私は本土のデモなどに参加していないし、自分が何の罪を犯したが分からない。いかなる政治団体や社交団体にも参加したことはない」

また昨年9月29日から10月3日にかけて5日間の「愛国の旅」を強要され、山西省に連れて行かれ、愛国教育を受けました。その後、1年間許可なく居住の市を離れられないという強制措置を受けました。

そして10月2日、王さんはようやく香港に戻ることができました。

香港市民 王鳳瑤さん
「香港に戻って来られないのではと、ずっと怖かった。毎日恐怖を感じ、電話が鳴るのも怖い」

10月17日、香港立法会のフェルナンド・チャン (張超雄)議員などの同伴の下、王さんはメディアの前でこの14か月間の処遇について語りました。チャン (張超雄)議員は、香港市民が中国本土で拘留され、1年以上自由を制限されたうえ、香港に戻ることも禁止されたが、その過程は極めて不透明であり、憂慮すべきことであると述べました。

王さんはまた、8月下旬に台湾に亡命しようとして逮捕され、中国本土に送られた香港の若者12人の釈放を当局に呼びかけました。12人の若者が中共当局から虐待を受けることを憂慮し、注目し続けるよう社会に呼びかけています。

 
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