10月初め、ポンペオ国務長官が来日し、米国、日本、インド、オーストラリアの4か国の連携を強化する外相会議「クアッド(Quad)」に出席しました。19日、オーストラリアは13年ぶりに再びマラバール軍事演習に参加すると発表しました。4か国による合同軍事演習は北京への強力なメッセージとなっています。
インドWIONテレビ(2020.10.19)
「豪州はマラバール軍事演習に参加する。今回の海上演習にはQuadの4か国が全部参加する」
19日、オーストラリアのリンダ・レイノルズ国防大臣は、2020年11月にアラビア海とベンガル湾で行われるマラバール演習にオーストラリアが参加することを発表しました。
レイノルズ長官は声明の中で、これは豪州国防軍にとって「画期的な出来事」であると述べ、「マラバール演習のようなハイエンドの軍事演習は、豪州の海洋能力を強化し、親密なパートナーとの相乗効果を構築し、開かれた繁栄しているインド太平洋地域を支援するという我々の共通の決意を示すものである」と述べました。
また、「マラバール軍事演習は、インド太平洋地域の四大民主主義国の間に深い信頼があり、共通の安全保障のために協力する意思があることを示している」とも述べています。
オーストラリアがマラバール軍事演習に参加したのは2007年が最後で、今回は、米国、日本、インド、オーストラリアが共同で海軍を派遣して軍事演習に参加する予定です。オーストラリアはまだどの海軍部隊が演習に参加するかを発表していませんが、情報筋によると、ホバートやブリスベンなどのオーストラリア海軍の軍艦が参加する可能性が高いといいます。
レイノルズ豪州国防大臣(2020.7.1)
「オーストラリアは、中国(共)がインド太平洋地域でより大きな影響力を獲得しようと積極的に取り組んでいることを注視している。 …(中共の)このような行動は我々の地域の安定を揺るがしている。 私たちは他の人たちと共に懸念を明確に表明した」
レイノルズ国防大臣は19日、日本の岸信夫防衛大臣と会談を行い、自衛隊が他国軍の軍艦などを守る「武器等防護」をオーストラリア軍にも適用することで合意しました。
岸信夫防衛大臣
「豪州軍の武器等警護は、自衛隊と豪州軍が相互運用性を高め、平素から連携する基礎となるものであります」
報道によると、防護の内容は「弾道ミサイル発射を含む情報収集・警戒監視活動」「日本の安全保障に影響を与える事態に直面した場合の補給輸送」「共同訓練」などとなっています。現時点では「武器等防護」の対象は米軍のみですが、実施されればオーストラリアは2番目の対象国となります。