米国のポンペオ国務長官は10月25日から30日にかけて、南アジアの5か国を訪問しました。インドに続き、28日にはスリランカを訪問し、29日には両国の国交樹立72周年を迎えました。ポンペオ国務長官は、スリランカはインド太平洋地域における米国の重要なパートナーであり、スリランカが主権を守り、中共の浸透に抵抗することを期待していると述べました。また28日には、モルディブに初めて米大使館を開設すると発表しました。さらに29日と30日には招待に応じてベトナムを訪問しました。
ポンペオ国務長官は28日、スリランカのグナワルデナ外相と会談し、この地域における中共の政治的・軍事的影響力の増大に抵抗することについて話し合いました。
ポンペオ国務長官は中共は略奪者だと述べ、強大で主権の独立したスリランカがこの地域における米国の重要な戦略的パートナーになることを望むと述べました
ポンペオ米国務長官
「ひどい取引や主権侵害、海と陸での無法行為などから中国共産党が略奪者であることが分かっている。米国は異なる方法を取る。我々は友人でありパートナーだ」
米国務省は28日の声明の中で、米国はスリランカの主要な開発パートナーとして、スリランカの農業、医療、教育のために20億ドルの援助を行ったと述べました。
また、疫病流行が始まった当初、米国はスリランカに600万ドル以上の援助を行っていました。
いっぽう、中共は「一帯一路」構想の下でスリランカの港湾や高速道路に多額の投資を行っていますが、スリランカは借款が返済できず、港を奪われるなど「債務の罠」に陥っています。例えば2017年、南部のハンバントータ港が中共政府に強制的に譲渡され、租借期間は99年となっています。
2018年、現地では港の返還を要求する大規模な抗議が発生しています。
10月22日、南アジア・中央アジア担当米国務次官補のディーン・トンプソン氏はスリランカに対し、経済的独立のために「困難だが必要な選択」をするよう呼びかけ、中共に抵抗するよう示唆しました。
ポンペオ国務長官と米国防長官は27日に訪問先のインドで、中共をはじめとするあらゆる脅威に対抗するため、米印両国は協力関係を強化していると述べました。また、大きな事がいま起きていると警告しています。
ポンペオ国務長官
「大きなことが起きている。 民主主義国家は、両国の市民と自由な世界をよりよく保護するための同盟を形成する」
ポンペオ国務長官は28日、中共の影響力に対抗するため、モルディブの首都マレに米大使館を初めて開設すると発表しました。
モルディブは中共の「一帯一路」構想の重要な浸透地域の一つであり、すでに重い債務負担を抱えています。