12月9日、ニューヨーク州を中心とした米国の48の州と特別区が協力して、SNS大手のFacebookを、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴しました。
ニューヨーク州司法長官 レティシア・ジェームズ氏
「数分前に、私は全米48人の司法長官からなる超党派連合を率いて、SNS大手のFacebookに対して訴訟を提起した」
1年以上にわたる調査の末、ニューヨーク州は、Facebookがその業界における優位性と独占力を利用して、ライバル企業を潰し、競争をもみ消し、膨大なデータと財源を使って、写真や動画の投稿アプリInstagramや通信アプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」などを買収し、Facebookは、潜在的な脅威と思われるものを排除し、さらに利用者の選択の幅を狭めるなどの不利益をもたらし、何百万人もの米国人のプライバシーを危険にさらしていると判断しました。
ニューヨーク州司法長官 レティシア・ジェームズ氏
「我々は今日行動を起こし、Facebookの違法行為によって被害を受けた何百万もの消費者や多くの中小企業のために立ち上がっている」
この訴訟は、Facebookの現在および将来の反競争的な行動を正すよう裁判所に求めています。
一方、米連邦取引委員会(FTC)は、長期にわたる調査を経て、Facebookに対し同様の独占禁止法の違反訴訟を提起しています。InstagramとWhatsAppの事業を売却すること、Facebookがソフトウェア開発者に反競争的な条件を課すことを禁止すること、今後合併・買収取引の際に事前通知と承認を得ることなどを含め、Facebookに差し止め命令を出すことを連邦裁判所に求めています。
米司法省は今年10月に、反トラスト法違反の疑いでGoogleを提訴しました。Facebookの案件は、今年2件目のテック大手の大規模訴訟となり、Facebookが法に違反していると判断された場合、解体される可能性があります。