貿易戦争もどこ吹く風 中国人の移住先トップは米国【禁聞】

ここ数年で米中関係が悪化の一途をたどり、中共メディアも米国を強く批判し続けていますが、中国人の米国移住に対する熱意はまったく冷めていません。最近公開されたデータ『中国国際移民報告』によると、中国大陸から他国に移住した人の数は昨年一年間で1000万人以上に上り、世界第3位となっています。移住先のトップはやはり米国でした。

12月22日、北京社会科学文献出版社から出版された『中国国際移民報告2020』の統計データによると、2019年に中国大陸から1073万2300人が海外に移住し、世界第3位の移民大国となりました。中国人の主な移住先は米国、日本、カナダとなっています。

報告書によると、米国と英国は中国からの留学生の最大の受け入れ国となっています。2018年から2019年までの間の米国留学した中国人学生は36万9000人で、米国で学ぶ全留学生の33.7%を占めています。

また英国に留学中の中国人学生は10万6000人で、英国在住の全留学生の23.2%を占め、12%増加しています。
留学生の低年齢化もここ数年で顕著になっており、過去10年間で米国の高校に通う中国人留学生の数は98.6倍に増加しています。この数字は学部生の増加率14倍を大幅に上回っています。

中国問題研究家の張健氏
「中国国内の庶民は、機会があれば間違いなく米国に来る。彼らにとって米国とは、富裕層の場合、金は十分あるので、彼らが求めているのは安定と法的保護だ。中産階級の場合だと、彼らの求めるものはよい教育、子どもをよい学区に行かせることだ。貧困者の場合は、米国に来て苦労に堪えて懸命に頑張れば、短期間で中国国内では得ることのできない富を手にすることができるからだ」

以前に多くのメディアは何度も、中国の富裕層の移住者数は世界一と報じています。『2019年世界富の移動報告』によると、2018年に海外移住した中国人富豪の数は2017年よりも50%増加し、世界第2位のロシアの2倍に達しています。

米国在住の中国人研究者、呉祚来氏
「富裕層は安全を求めて海外移住する。彼らの経済状況が一定のレベル、数億とか10億、100億に達したら、彼らは財産を守るために移住する。中国では誰もが知る通り、ジャック・マーのような人でもすでに安全ではなくなっている。もっと多くの富豪がいろいろな場所で、いろいろな理由を付けられて捕まっている。(守ってくれる)法律がないので彼らは移住するしかない」

中国問題研究者の張健氏も、中国では現在、有能な人なら誰もが米国への移住を考えているだろうと指摘しています。

中国問題研究家の張健氏
「米国は彼らが法的保障を受けられるからこそ、あこがれのシャングリラになっている。これに対し中国では、明日にでも底知れぬ深淵にぶち当たる可能性がある。家財の差し押さえや逮捕、財産の没収などはいつでも起きる可能性がある。中国に安全な人など一人もいない。すべての中国人は監獄に入れられているようなものだ。特にあなたがビジネスで大富豪になったら、中共体制の暗部、残酷さや冷酷さがもっと身に染みるようになる」
実際に、中共は数十年にわたって米国を罵倒し続けてきました。特に中国で重大事件が発生するたびに、当局は非難の矛先を「西側の敵対勢力」に向けてきました。中でも、中共が最も強く批判してきたのが米国でした。

米国在住の中国人研究者、呉祚来氏
「プロパガンダは愚民化を進める国策の一つで、共産党が一貫して行ってきた政治スローガンだ。彼ら自身の家族や多くの庶民は、米国をきちんと理解している。プロパガンダは二極化を生んだ。一部の人は本当に信じているが、多くの人はやはり、米国は文明大国だと分かっている」

米中関係の悪化と大量の中国人移民の流入に伴い、米国政府は国家安全保障への配慮から、すでに中国人移住者と留学生に対しさまざまな制限を設けています。

今年9月に米国務省は、トランプ政権は中共軍に関連する中国人学生や研究者の入国を制限するため、すでに1000人以上の中国人のビザを抹消しました。

その後、米国移民局も共産党員のグリーンカード申請と帰化を禁止しました。

また12月の始めに米国の上院と下院で「高技能移民の公平性法案(Fairness for High Skilled Immigrants Act)」が可決され、中国系移民のグリーンカードの割り当てを調整することが決まりました。この法案には可決前に、中共軍と共産党に関係する場合は、米国国内で移民ステータスを調整し、グリーンカードを取得することを禁止する新たな条項が追加されました。

21日にポンペオ国務長官は、人権侵害に関与するすべての中共高官にさらなるビザ制限を課し、その家族も同じ制限を受ける可能性があると発表しました。

 
関連記事