米メディア「中共は軍民融合を通じて情報戦を発動」

米国の雑誌『フォーリン・ポリシー』が12月下旬に、10年近く続いた米中のデータ情報戦を分析した調査報告書を発表しました。中共の諜報機関が中国のテック大手と手を組んで大規模にデータや情報を盗み出し、米国の安全保障を脅かしていることを明らかにしました。

今回のフォーリン・ポリシーの調査報告は、現職と元米情報機関・国家安全保障担当者30人以上からの聞き取り調査に基づいています。この報告書は、特に北京が「国家情報法」を制定して以来、過去4年間に中共の諜報機関と民間企業との間で拡大してきた、あからさまな協力関係の一端を明らかにしています。

報告書では、2017年には中共軍のハッカーが米国の信用調査会社大手のEquifaxに侵入し、約1億4500万人の米国人の個人データを盗んだと記されています。大量のデータは、ビッグデータ分析能力を持つ中国の指定民間企業に送られて加工され、またすぐ戻されるようになっています。 この協力により、中共の諜報機関はデータ分析と処理能力に前例のないアクセスが可能になりました。

また、中共の情報ハッカーが盗んだ情報は、準民間企業や準国営防衛企業にも提供されていたと報告書は指摘しています。2014年の上院軍事委員会の報告書によると、中共のハッカーが米国防総省の米運輸司令部の契約者ネットワークへの侵入に1年間で20回成功し、2018年には中共の工作員が米海軍の契約者ネットワークに侵入して機密性の高い情報を盗み出すことに成功したといいます。これらの盗まれたデザインから、中共は新しい戦闘機や他の兵器システムをコピーしています。

時事評論家 唐靖遠
「実は中共はずっとこの手を使っていたが、ここまでオープンではなかった。習近平が政権を取ってからは、それを公にして大々的に発展させた。これがよく知られているいわゆる『軍民融合』戦略だ。ファーウェイがその代表例で、ファーウェイの背後には国家レベルの財政支援だけでなく、国家レベルの技術支援もある」

報告書はまた、中共の情報機関と民間企業の協力が新たな段階に発展したと指摘しています。中国の一部の民間企業は、中共の情報収集を容易にするために、自分たちを大規模で合法的な多国籍企業であるかのように見せかけています。

報告書は最後に、中国企業の至る所に中共の影が存在するため、米国は厳戒態勢を維持しなければならないと警告しています。

 
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