NTDレポーター/シンディー・ドルキー
あなたが創設した組織は今や政治の表舞台で注目を浴びています。あなたが意図したことではないのでしょうが、どうしてあなたは有名になったのですか?
全米医師前線/シモン・ゴールド医師・医学博士
私は医師会認定の救急医(救急科専門医)、つまりパンデミックの有無にかかわらず医療の最前線で働く医師です。新型コロナウイルスが米国に入ってきた当時、私は当然救急外来(ER)で働いていました。だから私は新型コロナウイルスが米国に入ってくる前からに注目していました。どうやってそれが中国やイタリアで発生したか、関心があったのです。米国にも来ると分かっていました。
私たちはあらゆる医学雑誌、研究論文、記事を読んでいました。私は一般の米国人ほど恐れてはいなくて、救急医として対処方針を立てていたし、対処能力もあったからです。準備は万全でした。私たちは病院で幾度も会議を開き、いろいろ新型コロナウイルス対策を立てました。
米国で最初の国内感染が確認されたのは2月末だったでしょうね。ただ私がいた西海岸では3月になるまで感染事例はなかったと思います。新型コロナウイルスを詳細に調べていたので、それに効く薬がヒドロキシクロロキンであることは分かっていました。ほとんどの米国人は知らないことですが、クロロキンがよく効くだろうことが15年前から分かっていたからです。
15年前、クロロキンがSARSコロナウイルス1に効いたことが2005年にウィルス学会で公表されました。SARSコロナウイルス1と2は新型コロナウイルスの78%が同一でした。だから効く可能性は高かったのです。世界中の研究者がすでにクロロキンやヒドロキシクロロキンの効果を研究し、効くだろうとの結論に至っていたのです。
事実、2月の時点で中国は国が定めた治療ガイドラインで、新型コロナウイルスには第一にクロロキンを使用すべきだと公表しており、続いてフランスやインドでもさらに研究が進みました。インドは国の方針として医療従事者および医療従事者に接触する人々全員にヒドロキシクロロキンの服用を認めたのです。ヒドロキシクロロキンは他の国々でも容易に入手できる薬なのです。
私はヒドロキシクロロキンへの期待に胸を躍らせながら状況を注視していました。私の患者がそれを必要とする日のためにです。ヒドロキシクロロキンは私の友人や家族からも沢山手に入りましたので、実に賢明な策だと思いました。多くの医者がヒドロキシクロロキンを買いだめし、そのため医療団体が「買いだめは止めて!」と告知を出したほどです。準備完了でした。
ところが突然、ヒドロキシクロロキンに対するネガティブ・キャンペーンが起きました。それはよくない、毒だ、ひどい、インチキ薬だと。これは65年間使われてきた薬であり、食品医療局(FDA)が承認しているものだし、この薬は樹皮に含まれるキニーネから作られたもので、きわめて安全です。65年間全世界で何十億回も使用されてきた薬です。乳児や子供、妊婦、授乳期の母親、老人に、そして、免疫力が低下した人にも処方されます。すでに何十年もリウマチ関節炎や 狼瘡(ろうそう)の治療に処方されています。
それほど安全な薬です。タイレノール(解熱鎮痛剤)やアスピリンより安全なのです。安全な薬ですから、世界中ほとんどの国で市販されています。ここでは処方薬になっていますが、とにかく、私は胸を躍らせていました。私は一介のママドクター、緊急救命医なのですが、妊娠検査に際してコロナ感染者と診断された最初の患者がやってきました。
私が当然ヒドロキシクロロキンと亜鉛を処方したところ、患者は半日で症状が改善され、3日でほぼ全快しました。ヒドロキシクロロキンは効果があるという医学雑誌からの知識がこの体験で裏づけられたのです。ところが医長は私に再び同じことをしたら解雇だと言ったんです。私は変だなと思いました。
私は彼に「何故首を突っ込んでくるの」と言いました。
彼は「効果があるとは思わない」と言い
私は「では、処方しなくていいわ」と言いました。
なぜなら、医師の間で治療方法については話し合わないものだし、だからこそ患者は医師を選ぶのです。私は「あなた、自分の態度は変だということが分からないの?私たちは何年も一緒に仕事をしてきたけど、こんなことは言われたことも言ったこともないわ。変ね。」とも言いました。
もう一つ変なことが起きました。医師にヒドロキシクロロキンの処方を禁止する規則をカリフォルニア州知事が定めたのです。約40の州、ほとんどの州でも同様だったことが後に判明しました。新型コロナウイルスの患者にヒドロキシクロロキンを処方したら、職業上の規則違反とみなされる恐れがあるという手紙を受け取りました。つまり医師免許とそれに付随する一切合財を失うことへの脅かしです。変な話だなと感じたことを覚えています。彼らは安全ではないというふりをしていません。マラリア、リウマチ関節炎などには処方し続けることができるが、新型コロナウイルスだけは駄目だというのです。
何かがおかしいとは分かっていました。かつて一度もなかったことです。長い間医師をやってきた中で、だから声を出すようになったのです。
NTDレポーター/シンディー・ドルキー
何がおかしかったのか判明しましたか?その奇妙な態度の原因は何だったのか分かりましたか?
全米医師前線/シモン・ゴールド医師・医学博士
この偽情報はきわめて強力で、医師たちでさえ同調圧力に屈していたことが分かりました。医学雑誌を読み、自身の見識を確立していたはずの医師たちが他人の言葉に従うだけになっていました。私のような人間に対しては執拗に検閲を行う、FacebookやTwitterにも彼らは従っていました。私は医師たちが批判的思考を止めてしまったことに大変失望しました。しかし批判的に考えるのが私一人ではないことは分かっており、そこで明晰に考える他の医師をネットで探したのです。私たちは結集し、米国人に真相を伝えるという「全米医師前線」を結成しました。
私たちは7月27日にワシントンDCに来て教育サミットを開催しました。7時間の教育を実施し、最高裁判所の真ん前での1時間で、医師たちは皆真実を語り、その動画がネットで拡散されました。私たちはメディアには連絡せずにソーシャルメディアで訴えただけです。ソーシャルメディアを通じて、再生回数は2000万回に達しました。私はリアーナとまではいかずとも、ビヨンセに肩を並べる歌手も同然ですね。ただ2000万回というのは再生回数だけの話です。本当に知識を貪欲に求めるのであれば、膨大な量のコンテンツがあるのです。人々は真実を知らされていないと感じるし、わかっています。だからこそ再生回数が多かったし、だからこそ、私は医療の偽情報に反対して今人前に出て声を上げているのです。
NTDレポーター/シンディー・ドルキー
最高裁判所の前であなたが証言を行った後の反応はどうでしたか?
全米医師前線/シモン・ゴールド医師・医学博士
驚いたことに私は予告もなく解雇されました。私は2つの病院で勤務していたのですが、1つの病院は私に電話で、もう出勤しなくてよいと告げました。私が厄介なビデオに出たのが理由であることは明らかです。大変なショックでした。もう一つの病院はヒドロキシクロロキンと亜鉛を処方したので私を解雇すると脅し続けています。今どちらの病院に対してもいわば訴訟の前段階です。私には非常に辛い状況です。私はこれまでずっと緊急救命医療の仕事をしてきました。
優秀な医師を解雇する理由が偽情報に反対する活動だとは驚きです。ヒドロキシクロロキンを処方する私を遠ざけようとする理由は歴然としています。ヒドロキシクロロキンが効くことを示す研究論文は約200も出ているのですが、米国医師会ですらかつての主張を引っ込めています。上院公聴会での証言が行われました。これは完全に米国民に対する嘘です。委員会は私に非常に厳しい態度でした。私はもう医療に従事することはありません。
NTDレポーター/シンディー・ドルキー
この問題であなたを最も驚かせたことは何ですか?
全米医師前線/シモン・ゴールド医師・医学博士
この偽情報に反対する運動のすべてはいつか消え失せていくだろうと本気で考えたこともありますが、偽情報の奥深さにショックを受けています。これがトランプ嫌いよりもっと根深い問題であることは明らかです。民主党と共和党の対立も超えて違った何かが進行しているのです。この偽情報の流布は世界中で行われており、主に問題となったのは欧米諸国です。米国だけの話ではなく、英国、カナダ、オランダ、ベルギーも、フランスでも同様です。
第一に、それはかなり根深くかつ広範です。
第二に、これは必ずしも政治的なものではなく、何か別のものです。
その別のものとは経済的利益であり、左翼の運動と同じ方向を目指す世界的な動きです。私にはそう思えます。驚くべきことです。ヒドロキシクロロキンについていろいろと語った理由の一つは、明らかにそれが人々をコントロールするという問題に他ならないからです。それが効くという証拠は圧倒的です。そこで嘘をつくようなら、他にも嘘をたくさんついているはずです。
NTDレポーター/シンディー・ドルキー
この問題が起きる前にあなたはなんらかの政治的見解を持っていましたか?
全米医師前線/シモン・ゴールド医師・医学博士
いいえ、私は政治的な人間ではありませんでした。私は母であり、医師であり、私の父も医師でした。自分自身の政治的信条はありますが、それはこの問題とは関係ありません。これは事実であり、安価で安全で世界中どこでも入手できる数十年も前からある効く薬です。ところが「使ってはいけない」と言うのです。道理に反してますよ。
何故人々が道理に従って考えずに、道理に反したことに従うのか、私には理解できません。人々が立ち上がって要求をしないことに私は愕然とします。私が何に驚いたかと質問されましたが、米国の人々が応じるその従順さに驚きます。明らかに道理に反する規則に従うとすれば、それはきわめて危険なことです。それこそ私が自由を愛する人間として懸念を抱いている点です。
<吹替版>