先日、四川省慈陽市安岳県拱橋郷の8人の子供を持つ劉夫婦は、当局より、「社会扶養費」の名目で266万元(約4200万円)の罰金が科されました。劉氏夫婦は経済的に厳しい状況におり、高額の罰金を納めることができません。これに対し、地元の衛生健康局は裁判所に強制執行の許可について申請しました。
中国メディアの報道によると、劉夫妻は県庁所在地から50キロ以上離れた、公共交通の利用に困難のある地域で暮らしています。劉夫妻は男の子を授かるために、相次いで8人の子供を出産しました。
末子が生まれてから10年後、地元の衛生健康局は劉夫妻に「社会扶養費」として、266万元の罰金を科しました。劉夫妻は経済的に厳しい状況下におり、納金することができないため、昨年8月に地元の衛生健康局は裁判所に強制執行の許可について申請しました。
「一人っ子政策」に違反したとして、科せられた高額の罰金について、ネットユーザーの間で議論が引き起こされました。
あるネットユーザーは、罰金の名目が「社会扶養費」となっているが、問題は本当に社会が扶養してくれたのか?」とコメントしています。
また、別のネットユーザーはいわゆる「社会の扶養費」は実際には罰金であり、もともと経済的に困難のある家庭をさらに絶望の淵に追い込むこになると非難しています。
官制メディアの2014年の報道によると、全国では「一人っ子政策」に違反した罰金として、1.5兆元(約23兆円)以上が徴収されました。
浙江省在住の江さん
「彼らが徴収した社会扶養費がどのように使用されたのかは不明だ。これらの明細は公開されたことがない。徴収額がいくらで、誰が罰金が科せられたのか、これらの徴収金の詳細について公開されていない」
民主活動家 董廣平氏
「中共の政策はめちゃくちゃだ。子供の生育は国民の権利である。中共は強制的に介入している。これは非常に横道な行為で、人間の本性に背くことだ。この点においても、中共の実態を認識しなければならない。 中共はならず者で、自身が制定した法令も守らない」
中国の民主活動家の董廣平氏は、「この夫婦は子供8人を養うだけでも経済面で逼迫してしまうが、今回266万元の罰金が科された。これは人の生計の道を断つことだ」と憤慨しています。
安岳県衛生健康局の責任者は、高額の罰金は劉氏にとって納めることがが難しいかもしれないが、「法律に違反」したので、処罰せざるを得ないと述べました。
あるネットユーザーは、「彼らに罰金を科さないでくれ。私の二人目の子を生む権利を彼らに譲るよ。彼はすでに私が譲った権利を行使したことにして、罰金を科すのをやめてくれ」と投稿しています。
別のユーザーは、「最悪な計画生育政策に、最も恥知らずの罰金名目だ。この種の社会扶養費はこの時代の恥だ」と当局を非難しています。