iPhone等電子機器の受託製造会社・昌碩科技股份有限会社(GNDC)の上海工場で、勤務地異動及び報奨金に関する問題を巡り、昨年12月に大規模抗議デモが発生しました。しかし、抗議活動は当局により鎮圧され、数十人の従業員が拘束され、死者が出た可能性もあると伝わっています。
12月29日、上海昌碩科技有限会社(GNDC)の元従業員の王さんは新唐人の取材に対し、アルバイトの学生一人が急死したことで、米アップル(Apple)社が発注を取り消したため、従業員の収入が減少し、さらには江蘇省蘇州市にある子会社・世碩電子への支援を命じられたと述べました。しかし、その後解雇される場合もあり、約束されている報奨金を受領できない可能性があるため、12月19日に大規模な抗議デモが発生したといいます。しかし、現場の状況が撮影された動画はTiktok上で検閲されています。
12月26日、上海昌碩科技有限会社(GNDC)の従業員が鎮圧されたとの情報がネット上で流れました。数十人が拘束され、死者も発生したと伝えられていますが、事実確認はされていません。
昌碩科技有限会社元従業員・王氏
「この前に蘇州工場への支援を命じられた。しかし現地に行くと、工場側は人手が足りていると言って、断った。昌碩科技(GNDC)側にも断られ、結果的に辞めるしかなく、約束した高額の報奨金も受領できない。これが抗議の原因だ。昌碩科技側も手を出した。補助警官や機動隊が抗議者に暴力をふるい、ボコボコに殴ってから車両に担ぎ入れた」
情報によると、仲介会社は昌碩科技有限会社(GNDC)の従業員を募集する際、2〜3か月出勤した場合、1万元(約16万円)の報奨金を支給することを約束していました。王さんは、辞職手続きを行う従業員が毎日のように長蛇の列を作っており、昌碩科技(GNDC)はおよそ3万人を解雇する意向だと述べました。
上海昌碩科技(GNDC)の元従業員 王さん
「辞職者がとても多い。仲介会社も今のうちに辞職しないと報奨金がもらえないと警告している。多くの従業員が不安になり、慌てて離職手続きを行っているが、手続きに長い列ができている。約束された報奨金は1万元だが、中途退職の場合は日割り計算となっている。労務会社や仲介会社などが労働者から金を巻き上げているが、会社側も目をつぶっている」
ネット上の情報によると、仲介会社が昌碩科技(GNDC)の従業員の報奨金の1割を引いており、半分引かれた人やいまだにもらえていない人もいるとのことです。
一方、上海労務派遣会社の従業員、李さんは、仲介会社も昌碩科技(GNDC)に騙され、労働者を紹介しても1人あたり1,000元の損失が出ているとし、GNDC従業員は会社の幹部を訴えるべきだと提言しています。
上海労務派遣会社の李氏
「約束した報奨金は1割引いてから、再度日割りにする。昌碩科技側がそうしており、我々も騙されている。我々はもっと悲惨で、保証金も返してくれない」
2004年に上海市浦東新区康橋工業園区で設立された昌碩科技有限会社は、台湾大手電子機器の受託製造サービス(EMS)会社、和碩聯合科技(ペガトロン)の中国子会社にあたります。