1月6日、一部の抗議者が米連邦議会議事堂に乱入し、両院合同会議が中断されました。米国市民は、乱入して暴力行為に及んだのはトランプ大統領の支持者を装ったアンティファとブラック・ライヴズ・マターのメンバーだったと明かしています。この事件について米国当局は調査中ですが、中共メディアは大々的に、「米国式の民主主義がぶち壊しになった」と報じ、一連の事件を嘲笑しています。評論家は、中共が事件の背後に浸透していたからこそ、米国が今日のような局面に立たされることになったのだと指摘しています。
1月6日午後、米連邦議会は2020年大統領選挙結果の認証プロセスに着手し、2時間が経過したころに突然複数の抗議者が議会議事堂に乱入し、両院合同会議が中断されました。今回の衝突事件によって4人が死亡し、68人が逮捕され、トランプ大統領は7日、今回の暴力的行為を非難する声明を発表しました。
トランプ大統領
「すべての米国人と同様、私は暴力、違法行為そして混乱に憤っている。私は直ちに州兵と連邦法執行部門の人員に対し、この建物の保護と侵入者の排除を要請した。米国は永遠に法治国家だ」
FBIと連邦検事は夜を徹して調査を行いました。インターネットではさらに多くの市民が、今回の侵入者の一部はトランプ大統領の支持者ではなく、以前にアンティファ(ANTIFA)とブラック・ライヴズ・マター(BLM)に関わっていたメンバーだと指摘する声を挙げています。議事堂に侵入した抗議者の一部はインターネットでその事実を認めています。
抗議活動の参加者
「たった今、抗議会場のキャピトル・ビルディングを後にした。私の足には大きな青あざができてしまい、本当に辛い。この動画を撮っている理由は、私が今日、金をもらって今回の抗議活動を装ったことを説明したいと思ったからだ。それが誰かを明かすことはできないが、組織的な行為だ」
共和党のモー・ブルックス下院議員は、両院会議の開始前の1月4日にある議員から、アンティファの脅威が増しているため、執務室で眠った方がいいと言われたと明かし、5日にはある議会警察官から、ファシスト主義的性質を持つアンティファがトランプ支持者と同じ服を着てトランプ支持者の集会に紛れ込むだろうと警告されたとも語っています。
中共官製メディアの中央電視台や新華社通信などはこの事件について大々的に報じ、「暴徒がキャピトルヒルを叩き壊した」「米国式民主主義がぶち壊しになった」と揶揄しました。中共外交部はさらに、キャピトルヒルの衝突を2019年に香港で起きたデモ隊の議会乱入事件と比較して、米国側の反応が異なると疑問を呈しました。
米国在住の歴史研究家、辛灝年氏
「噴飯ものの話ではないか。香港の事件は独裁を行っている中共中央政権が、普通選挙の実施、人民の自由な選挙権を求める香港市民に対し、残酷な鎮圧行動を行ったものだ。香港市民は民主選挙を要求している。米国市民はクリーンな民主選挙を保証するよう求めている」
時事評論家の戈壁東(か・へきとう)氏は、事件当時ワシントンDCにいたが、活動現場は平和的で、伝統的なお祭りに参加しているような感じがしたとし、人々は祈りをささげていただけで暴力的な行為はなく、参加者は心からの笑顔を見せていたと語っています。
時事評論家の戈壁東氏
「1月6日に米国の愛国者が『米国を救え』をテーマに掲げて行った平和的デモ行進は、偽装したアンティファによって、議会を襲った発砲・動乱事件に変えられてしまった。その後、極左メディアはまたもや事実と異なる報道を大量に行った。この背後に非常に注意深く設計された邪悪な影がはっきりと反映されている」
評論家はさらに、中共の背後への浸透も非常に憂慮していると指摘しています。
時事評論家の戈壁東氏
「実際のところ、米国で今起きている事件は、中共が長い時間をかけて浸透してきたことと密接に関連している。米国の極左メディアは好き勝手な捏造や米国の極左勢力の台頭、共産主義的色彩を色濃く帯びたアンティファも含めて、中共が長い時間をかけて浸透したからこうなったのではないのか?彼らはあなたを傷つけ、嘲笑している。中共の邪悪さに匹敵するものは世の中に存在しない」
米国在住の歴史研究家、辛灝年(しん・こうねん)氏は、国民の祖国愛、強大なハイテク技術、そして国防が米国の長所で、中共の取り柄は陰謀、はかりごと、嘘、浸透だと分析しています。
米国在住の歴史研究家、辛灝年氏
「三十年以上も前から米国はこの方針から逸脱し始め、中共が自国に浸透し、自国の政治家を買収するに任せた。だから米国は今のような窮地に立たされてしまった。米国は自分のため、米国のため、中国大陸の人民のため、全世界のため、中共に騙されたり苦しめられたりしている国の人民のために、自国の長所を生かし、共産主義と戦う戦争を行うべきだ。私はこの戦いに必ず勝利でき、中国人もそれを歓迎すると信じている」
党メディアはこぞって米国を嘲笑していますが、ラジオ・フリー・アジアは北京市内の中学校教員・李向群さんの「中国の制度は米国に比べはるかに遅れている。もし今回中国で発生したら『間違いなく発砲によって撃ち殺されている』」というコメントと、河北省の独立研究者・丁傑(ていけつ)さんの「米国の政治制度には強い修復力が備わっているが、一部の中央集権国家には自己修復力がないので、瓦解するとなったらすぐに瓦解する」というコメントを報じています。