法輪功迫害を追跡調査する国際団体「追査国際」は近日、海外在住の中国人が実名で行った、中共による法輪功学習者からの強制臓器摘出の告発について発表しました。報告書では上海武警医院が麻酔を使用せずに生きている法輪功学習者から臓器を摘出しているという残酷な事実が明かされています。
2020年12月29日、法輪功迫害を追跡調査する国際団体(追査国際)は報告書「陸樹恆(りく・じゅこう)氏が実名で追査国際に告発した中共による法輪功学習者からの強制臓器摘出の罪」を発表しました。これはカリフォルニア在住の上海人、陸樹恆さんが中共による生きている法輪功学習者からの臓器摘出を告発したもので、上海武警医院上海が麻酔を打たずに生きたままの法輪功学習者から臓器を摘出するという目をそむけたくなるような事実が記されています。
2016年9月、「希望の声」ラジオが法輪功学習者からの強制臓器摘出の停止を求める米下院の343号決議案に関する番組を放送していたところ、カリフォルニア州在住の上海人、陸樹恆さんが番組に電話をかけて、中共による法輪功学習者からの強制臓器摘出を告発したいと伝えました。
この年の10月2日、陸樹恆さんは希望の声の求めに応じ、スタジオで追査国際の汪志遠代表に回線を通じて、自身の親族が法輪功学習者の迫害と強制臓器摘出に関わっていたことについて詳細に語りました。
米国在住の中国人、陸樹恆さん
「2002年に帰国して、兄夫婦に食事に招待されたときのことだ。私たちは下に、彼らは上の階に住んでいた。食事の時間に下の階で全員が集まり、兄嫁は私にいくつかの話をしに来た。彼女は私が米国に住んでいるから、臓器移植を必要とする人はいないか、米国では(臓器が)不足していると言った。私の仕事は内装工事なんだからそんな人と知り合うことはないと言うと彼女は、あなたがそういう人と一人知り合ったら内装工事とは比べ物にならないくらい稼ぐことができると言った。どういうことだと私が聞くと、兄嫁は臓器の話だと言い、腎臓だとか、角膜だとか言いだして、それについて話し始めた。肝臓の話もしていた」
陸樹恆さんは、兄嫁の周玉さんは62歳でその姉の周清さんは64歳、上海市浦東医院の産婦人科主任で、後に上海宛平(えんへい)医院の院長になり、以前は生きている法輪功学習者からの臓器摘出を自ら行っていたと説明しました。以前に一族で集まった時に、陸樹恆さんは周清さんから、とても儲かるから中国での臓器移植を希望する米国人の仲介人にならないかと説得されました。
陸樹恆さんはその時に周清さんに、臓器移植ができるのかと尋ねました。すると周清さんはできるけど今はもうやっていないと言い、それをやると悪夢を見るし、金儲けは簡単にできるものではないと答えました。
陸樹恆さんはさらに、上海武警医院で法輪功学習者からの強制臓器摘出が麻酔なしで行われた際の残酷な状況を説明しました。陸樹恆さんは上海公安に対し法輪功学習者を一人連行するたびに500元の奨励金が支払われるが記録には残らないと述べています。
法輪功迫害追跡調査国際組織 汪志遠代表 「彼は生きている人間からの強制臓器摘出が本当に存在することを示した。2016年当時、上海では法輪功学習者を拘束しても登録されなかったし、記録にも残さなかった。そのまま浦東に送られた。中国共産党が発動した全国的なこの殺人運動は止むことなく継続しており、しかも巨大な利益を生むため、彼らを狂ったような殺人に駆り立てている」
2010年に陸樹恆さんは、もし強制臓器摘出の話を漏らしたら麻薬密売の罪を着せて、米国政府に中国へ強制送還させる、そうなったらひどい目に合うと脅されました。
追査国際の汪志遠代表は、告発者を保護するため、4年経ってからようやく、陸樹恆さんが提供した中共の法輪功学習者強制臓器摘出を広める犯罪の証拠を社会に明らかにしたと説明しました。
追査国際は主に法輪功の迫害に関するすべての犯罪と関連の機関、組織及び個人の追跡調査を行って、事実に基づき、彼らを法廷に送ることを目的として、2003年1月20日に設立されました。2020年7月の時点で証拠となる730件の録音データと2000件余りの文書データを公表しています。
法輪功迫害追跡調査国際組織 汪志遠代表
「しかも、証拠は最上層の当局からその下の医師のものまでそろっている。中共政治局の常務委員5人の証拠もあるし、この5人の常務委員以外にも多くの高官のものもある。そして病院41か所、臓器移植病院の45人の院長主任医師のものもあり、そしてそれらの院長主任の大部分は国家一級(医師)だ。しかもその一部は国際的にも有名な専門家で、臓器強制摘出に直接関与している」
1999年以降、中共は党、政治、軍、武装警察、司法システム、宣伝、外交、医療機関を含む国家機関全体を操り、数えきれないほどの法輪功学習者に対するジェノサイドを21年間実施しています。そして今もまだ迫害は続いています。