VPNサービス会社Surfshark(サーフシャーク)が発表した最新の報告書によると、世界で最も多く監視カメラが設置されている都市は北京で、115万台以上に達します。監視カメラの設置数が最も多い上位10都市の中には中国の6都市がラインクインしています。
Surfsharkの報告書によると、監視カメラの設置数で北京、ハルビン、廈門(アモイ)、成都、太原、昆明などの6つの都市が世界で最も多い上位10都市にランクインしており、その中でも北京は115万台以上の設置台数で首位に立ちました。
中国政治評論家の華頗(かは)氏は、監視カメラの設置数ランキングで北京市がトップになったことは、驚くことではないと述べています。
中国政治評論家 華頗氏
「家から出ると監視カメラがすぐ目に入る。中共当局は、中国の民衆に対して自信がなく、民衆の全てを把握しようとしている。当局に不利な行為を恐れているため、監視カメラを大量に設置し、人々の一挙一動を監視しようとしている」
数か月前、英国のIT・テクノロジー系メディア「コンパリテック(comparitech)」は、世界で人口の多い上位150都市を分析した報告書を発表しました。報告書によると、都市範囲に対する監視カメラの設置分布の密度が最も高い20都市の中で、18都市が中国にあり、トップは山西省の太原市でした。
山西省の住民 李さんは、「監視カメラは死角をなくすかのように隅々に設置され、人々を厳重に監視及び追跡を行っている。個人のプライバシーなど存在しない」と述べました。
山西市民 李氏
「私の家の入り口にさえ監視カメラが設置されている。少し歩くだけでも、監視カメラを数百台も見つけることできる。庶民にはプライバシーなどなく、すべてが監視下にある。犯罪を解決するためだと言っているが、子供がいなくなっても探せない。運転中に電話をかけた場合は、はっきりと撮られている」
李さんは、中共当局が監視カメラを設置する目的は、罰金に当たる行為を見つけて徴収することと、いわゆる「危険人物」を監視するためだと考えています。
中共を批判した文書を発表したことで拘束された清華大学法学部元教授の許章潤(きょ・しょうじゅん)氏は、北京市の自宅周辺には、50メートル以内に少なくとも9台の監視カメラが設置されており、当局により厳重に監視されていると述べました。
IT専門調査会社IDCが2019年に発表した報告書では、2022年には中国の監視カメラの設置数が約27.6億台に達すると予測しています。つまり中国の人口14億人に対して、一人当たり2台の監視カメラが配置される見通しです。
調査会社「IHSマークイット」によると、映像の中で特定した人物を探索するシステムを搭載したサーバーの4分の3が中国によって購入されると予測されています。