バイデン政権は、トランプ前大統領が中国からの輸入品に課した関税をただちに引き上げる考えはないと述べ、早急に貿易協定の検証を開始すると付け加えていた。
バイデン大統領が財務長官に指名した、ジャネット・イエレン氏によれば、ホワイトハウスは、中国が第1段階での合意をどの程度履行しているかを精査している。これは中国が合意を十分に履行していないためである。
トランプ前大統領は、去年中国との間で第1段階の貿易協定に署名した。この協定は、中共政府に2000億ドル(約20兆7448億円)相当の米国製品の購入を求めるものだ。
だが、ワシントンのシンクタンクのレポートによれば、中共が実際に購入したのはこの目標の60%にも届かない。
中共政府は、昨年末までに1700億ドル(約17兆6315億円)以上の米国製品を輸入することになっていたが、実際の輸入額は約1000億ドル(約10兆3715億円)にとどまった。
農産物については、中国の購入実績は協定で合意された額の60%を若干越える程度であった。
中国の米農産物の輸入は、第1段階の貿易協議の一つの重要な焦点だった。
貿易戦争が勃発する前は、中国が米国の農業にとって最大の市場であったため、米国の農民は、中共政府の関税にかなりの打撃を受けていた。
イエレン氏によれば、バイデン政権は「トランプ前政権の対中貿易政策をすべての点で包括的に検証」する考えである。
同氏はその一環として、中共政府が第1段階の合意をどの程度遵守したか、調査すると付け加えている。
同氏はまた、ホワイトハウスは、中共に効果的な圧力をかける上で、従来とは異なった姿勢で臨む必要があると述べている。
トランプ前大統領は、中共に圧力をかけて米国製品の輸入を増大させるために、しばしば関税を利用した。
彼は中国の米国からの輸入額より、米国の中国からの輸入額の方が多いと語り、また中国企業は、米国の知的財産を盗んでいると非難した。
トランプ前大統領は以前、第2段階の協議を有利に運ぶ交渉材料として、関税を利用すると言っていたが、中共政府のウイルス対策のため、第2段階の協議を押し進めることは控えていた。