最近、中国系動画共有アプリ・TikTokの「ブラックアウトチャレンジ」に参加したイタリアの10歳の少女が死亡した事件を受け、イタリア政府は一部のユーザーに対し、TikTokを一時的に利用停止とする措置を発表しました。また、米国では共和党下院議員がバイデン政権に対し、同アプリにおける安全保障上の懸念に対応するよう要求しています。
イタリア政府は1月22日、年齢が確認ができないユーザーに対し、Tiktokの利用を一時的に停止とする措置を発表しました。事の経緯は、Tiktok上で流行している「ブラックアウトチャレンジ(窒息ゲーム)」に参加した10歳の少女が死亡する事件が発生したため、イタリア当局による今回の緊急停止措置の発動に至りました。
少女はTikTokアプリで同チャレンジに参加する過程を自身で撮影している最中に、死亡したと見られています。
イタリアのデータ保護局は、少女の年齢がTikTokによって規定されている対象年齢の13歳を下回っているものの、TikTok側は少女の利用登録を拒否していなかったと指摘しています。
また米国ではTiktokに関して、下院外交委員会の共和党トップのマイケル・マコール(Michael McCaul)議員が1月23日に声明を発表し、バイデン大統領が過去に発言していたとおり、TikTokなどの中国共産党と関連のある企業が提供するソーシャルメディアの危険性に適切に対応するよう要求し、これらのプラットフォームにはデータプライバシーと国家安全保障の面でリスクがあると指摘しています。
昨年9月、バイデン氏はTikTok内の個人情報が中共政府に抜き取られる可能性があることについて非常に心配していると述べており、また自身が大統領に当選されれば、IT専門家にTikTokの問題に関する調査を行わせ、最善の解決策を見つけ出すと公約していました。
昨年8月、トランプ前政権は国家安全保障上の懸念があるとして、米国内でのTikTokの利用を禁止する措置を発表していました。これを受け、TikTok側は訴訟を起こしました。訴訟は現在も続いており、最近米政府とTikTokは、2月18日までに裁判所に関連の文書を提出することで合意しました。