バイデン大統領は就任後わずか9日間で、40もの大統領令に署名しましたが、これは他の大統領が就任後2か月で署名したものよりも多いとされています。 バイデン政権はすでに、権限を超えたとして、訴訟に直面しています。
バイデン大統領は任期の最初の9日間で28の大統領令を含めて、40もの行政命令に署名しました。テキサス州がすでに、バイデン氏が権限を超えた行動をとっているとして訴訟を起こしているほか、24人の共和党上院議員が先週、バイデン氏に共同で書簡を送り、エネルギーに関する大統領令についての懸念事項をバイデン氏と話し合うよう求めました。これに対し、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、バイデン氏は直接会う予定はないと述べました。
米国の歴史上、ルーズベルト大統領がこれまでで最も多くの大統領令に署名していますが、就任直後にこれほど大量に大統領令に署名した大統領はいませんでした。
バイデン氏が署名した一連の大統領令は、メキシコ国境の壁建設への資金提供の停止や、カナダから原油を運ぶキーストーンXLパイプライン計画の中止など、トランプ前大統領の政策の多くを覆しています。
バイデン氏が署名した大統領令が今後米国民の日常生活にどのような影響を与えるか、人々の懸念を引き起こしています。
歴史教授・憲法学者 ケビン・ガッツマン氏
「人々は大統領令を別の立法手段と考えている。実際には、大統領は通常、特定の状況下でいかに執行するか、何を重視するかを決める重大な決定権を持っている。 一方、次期政権は、前の大統領が無能だったとか、やったことが不十分だったなどと言いたいようだ」
大統領令のほとんどは中共ウイルスへの対処に関するものですが、ガッツマン教授は、そのほとんどは形式だけであり、戦略の変更ではないと考えています。
歴史教授・憲法学者 ケビン・ガッツマン氏
「私にはどの大統領令も、真の方向性の変化、つまりトランプ政権がウイルス問題に対処してきた方法の方向性の変化を表しているようなものには思えない。 もちろん、バイデン政権がトランプ政権以上に問題を連邦化する傾向があったことを除けばだ」
しかし、他の大統領令の中には、不法移民の強制送還を100日間停止するなど、米国民に大きな影響を与えるものもあり、この大統領令は連邦判事によって一時的に差し止めされています。
歴史教授・憲法学者 ケビン・ガッツマン氏
「私はこれは単純な行政の自由裁量権を超えていると考えている。立法過程を経て議会で可決されることになっている政策を根本的に変えたのだ」
米国民の生活に直接影響を与え、裁判沙汰になっているもう一つの大統領令は、カナダから米メキシコ湾まで原油を運ぶパイプラインの建設許可を取り消したことです。これにより7,000人以上の雇用が失われ、他の関連産業にも影響を与えることになります。