個人投資家VSウォール街 ゲームストップ株価急高騰の背景

米国のビデオゲーム小売店「ゲームストップ」の株価が急騰し、ウォール街を震撼させました。外部の分析によると、米株式市場において、個人投資家たちがウォール街に対抗するために、手を取り合った今回の壮挙の影響は大きいと言います。

米国に拠点をおくビデオゲーム小売チェーンの「ゲームストップ」は疫病蔓延の影響を受けて、売上は大幅に下落しました。期待されていない同社の株式に対し、大手金融機関は利益を獲得するため「空売り」戦略を取りました。

しかし、ゲームストップの株価は1月12日から27日までの間に、1642%を急高騰したため、大手金融機関は甚大な損失を被り、ヘッジファンド運営会社のベルビン・キャピタル(Melvin Capital)は20億米ドル(約2098億円)を失ったと報じられました。

この事件の背景には、ソーシャルニュースサイトのレディット(Reddit)のフォーラムに集結した一部の個人投資家たちが、ゲームストップの株式を集団で購入し、株価を吊り上げたことにあり、空売りした大手金融機関の企てが崩れてしまったのです。

米カリフォルニア州大学経済学者/兪偉雄氏
ソーシャルメディアが生態系を変えた。かつてはお金や知識、人脈のネットワークを有するウォール街だったが、今直面しているのは、もはやいわゆる個人投資家ではなく、彼らはプラットフォームに集結し、このプラットフォームは偉大な凝集力(結束力)を作り上げるのだ」

この現象は米国の若い個人投資家と伝統的なウォール街の機関との間の対立を反映していると分析されています。また、その背景にあるいくつかの要因を指摘し、注意すべきだと分析する人もいます。

米サウスカロライナ大学エイケン校/謝田教授
この会社の経営上の問題を解決しなければ、株価が吊り上げられても、個人投資家はどうなるのだろう?追い詰められて、損失を被る可能性がある。また、多くの人は空売りしたウォール街の企業が大損して、二度と立ち上がれないと思っているが、そうではない。先物市場では、ショート・ポジション(空売り)とロング・ポジション(買い持ち)があり、空売りして損失を出した人がいれば、買い持ちして大儲けした人もいるのだ。

同件は米国規制当局の注意を引き起こし、ホワイトハウス報道官は1月28日、当局は株式市場を注意深く監視すると述べました。業界筋によると、このような投資は個人投資家の自発的な行動なのか、背後に大きな資本が潜んでいるのかは、証券取引委員会が今後調査する方向であると示唆しています。

米サウスカロライナ大学エイケン校/謝田教授
米国の証券取引委員会はきっと調査に関心を寄せていると思う。買い持ちする投資家たちが個人投資家と何らかの関係があれば、または、裏で個人投資家を支持しているのであれば、証券取引に関連する法律問題に及ぶ可能性がある。

今回の騒動の中心になっているレディット(Reddit)は、同社は違法取引を禁止しており、執行機関の正当な調査や行動に協力すると述べています。28日、いくつかのオンライン取引プラットフォームは、異常な値動きがあったことを理由に、ゲームストップの株式取引を停止したため、同株価は大幅に下落しました。

 
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