個人投資家のウォール街への逆襲 矢板明夫氏「ニラが結束して鎌に勝った」

米個人投資家はビデオゲーム小売チェーン「ゲームストップ」への投資で、ウォール街のヘッジファンドに大損させました。産経新聞台北支部局長の矢板明夫氏は1月29日、30年にわたるグローバリゼーションの中で、最も利益を獲得したのが中共とウォール街であると示し、今回のような「ニラが結束して鎌を倒す」ことはあまり見ないと述べました。今回のゲームストップは、金融業界や世界に影響を与える導火線になるのでしょうか?

産経新聞台北支部局長 矢板明夫氏
「彼ら(エリートたち)は、やり方を変えながら、ニラを切り続けることができるが、今回はその逆だ。ニラが結束して鎌を倒したのだ(庶民が結束して、エリートたちを打ち負かしたのだ)」

今回の事件は、ネット上の呼びかけに応じて、アマチュアの個人投資家がゲームストップの株式に集中投資したことで、空売りするウォール街のヘッジファンドに大打撃を与えました。矢板氏は、その背景にあるのは、30年以上にわたる行き過ぎたエリート主義グローバリゼーションへの逆襲だと考えています。

産経新聞台北支部局長 矢板明夫氏
「(30年のグローバリゼーションの)最大の受益者は、中共とウォール街だ。グローバリゼーションの最大の敗者は、各国の労働者と個人投資家で、つまり『ニラ』だ。ウォール街と中共は2つの大きな鎌であり、残った者は全てが切られるニラだ」

台湾大学政治学部名誉教授 明居正氏
「左翼と右翼の戦いがあるのではないか?草の根対沼(腐敗した政治家ら)があるのではないか?そして、鎌対ニラはエリート対大衆の戦いの具体的な現れだ)」

ヘッジファンドや金融ハゲタカは、しばしば特定の国の通貨や企業の株式を空売りし、一部の国や企業、個人投資家が大きな損失を被っています。今回の事件は個人投資家による珍しい逆襲ではありますが、ウォール街が急にルールを変更したため、露骨な不正行為が問われ、また、メディアの役割も疑問視されています。そして、ユーザーの支持で大きく成長したソーシャルプラットフォームや通信アプリでは、「ヘイトスピーチ」「大人の性的搾取(adult sexual exploitation)」などの不条理な理由で、個人アカウントや議論するためのチャットグループ、フォーラムをブロックしています。

産経新聞台北支部局長 矢板明夫氏
「個人投資家の逆襲は偶然の現象でしかなく、とても難しい。鎌側はすぐに対処方法を考え出すからだ。真の変化をもたらすためには、社会全体から、つまり、エリート主義、グローバーリズムに反対するトランプ氏やポンペオ氏などの人たちが政界に復帰し、国際政治秩序を再構築した時に実現できるだろう。それはつまりトランプ主義であり、トランプ氏が代表しているその精神だ」

 
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