中共は自身の防疫対策で一定の成果が上がったと強調していますが、世界は中共の厳しい措置が多くの中国人に堪えがたい苦痛を与えていることを注視しており、文明社会とは相いれないとの見方もあります。
子ども
「うちに帰りたい、うちに帰りたい。一度しか休みがない。うちに帰りたくてたまらない」
中共肺炎が広まるにつれ、中共当局は再度極めて非道な防疫対策を講じています。ある人は家があるのに帰れないと泣き叫び、ある人は飢え死にしそうになったと語っています。
黒竜江省綏化市(すいか-し)望奎県(ぼうけいけん)でロックダウンが行われてから、ある父親が絶望して警察を強く非難している様子を撮影した動画が1月29日に公開されました。
黒竜江省綏化市望奎県の住民
「もう10日になる!おれの目的は買い物することだ。うちの子どもは餓死しそうだ!一粒の米も残っていない!お前たちは何なんだ!望奎県は何なんだ!おれの家に米一袋、小麦粉一袋、野菜をちょっと送ってくれるだけでいい。他には何も望んでない。米もなくなった!うちの家族は10日以上外出もしていない。私たち庶民を生かしてくれ」
米国在住の独立研究者で時事コラムニストの戈壁東(か・へきとう)氏は、中共の防疫対策は非常に極端で反人道的性質を持っていると指摘しています。
在米独立研究者で時事コラムニストの戈壁東氏
「我々は今も中共が武漢を都市封鎖した時のことを覚えている。このときは家のドアが溶接されたりくぎを打たれたりして、牢屋や墓のような封鎖手段が講じられた。彼らはさらに省と省を結ぶ道路を寸断するといった極端な手段すら採用し、あげくには『外出したら足を折り、口答えしたら歯を折る』といった悪質政権特有のスローガンさえ張り出した。また、世界のなかで防疫を理由に国民の帰国を拒否しているのも中共だけだ」
厳しい封鎖に加え、広まり続ける疫病に多くの民衆が耐えきれなくなっています。1月28日に公開された動画によると、綏化市望奎県では住民が飛び降り自殺で死亡しました。
この事件は同地域で8日間のうちに発生した3度目の自殺です。その前の21日には綏化海倫市(すいか かいりんし)宝鼎(ほうてい)居住区で男性が首を吊って自殺し、20日には綏化綏稜県(すいりょうけん)順家園で住民が飛び降り自殺しています。海倫市と綏稜県では20日から、住民に対し極めて厳しい監視体制が敷かれています。
同様の事件は吉林省通化市でも起きています。市当局は1月20日、全市の全ての居住区に対し封鎖管理を行うと突然発表し、各戸のドアを封印しました。その結果、数十万人が食糧・医薬品不足の危機に直面し、膨大な数の市民がインターネットで助けを求めました。25日には通化市で女性が10階から飛び降り、あるネットユーザーは「外出を禁じたことで死傷した人の数は、新たに新型肺炎に感染して亡くなった人の数をはるかに上回っている」と投稿しています。
住居の封鎖と都市封鎖のほかにも、市民にマスクを着用させる際にも当局が「防疫力」を顕示しています。
警察
「聞こえなかったのか?マスクを付けろ。公安機関は法に従ってお前に強制的にマスクを付けさせる。どうだ?どうだ?分かったか!」
女性
「私の手、私の手が」
警察
「お前が話を聞かないからだ」
上海市民の蕭(しょう)さんは、当局は市民を強制的に隔離して費用まで徴収していると明かしています。
上海市民の蕭さん
「スーパーマーケットに入った人は、監視カメラがあるので全部探し出すことができる。その後は全員ホテルに隔離された。毎日血液検査を受けさせられ、そのあとは核酸検査だ。合計で約5000元近く取られた。それから政府は、あの病気に感染した人は検査費用や治療費が免除されるが、検査で陰性だったら自費だという。だから彼女は、『スーパーに一回行っただけで大きな代償を払わされた。5000元近く払わされるなんて』と話している」
オーストラリア在住の研究者李元華さんは、中共当局はこのように人権を蹂躙することで防疫対策を講じているが、その効果は彼らが自慢しているほどではないと語っています。
ボイス・オブ・アメリカは2月1日にもある人の話を引用し、百年に一度すら起きないような疫病大流行の中で中共当局が演じた役割は驚愕に値する恐ろしいものだと報じ、「中国共産党統治下の中国は人類文明とは相いれない」ことを世界に向けて示したとも報じています。