中国本土で実施されている極端な防疫対策により、最近再び悲惨な事件が起こりました。2月3日、黒龍江省の隔離対象となった地域の住民が刃物で防疫ボランティアスタッフを刺殺する事件が発生しました。瀋陽市のスーパースプレッダーであるとして、非難の的となった女性が感染症により死亡しましたが、地元当局の公式発表の死亡者数には反映されていませんでした。
2月3日、ハルビン市呼蘭区の防疫ボランティアスタッフの張さんが、当地域の住民・陳さんに刃物で刺されて死亡しました。事情を知る者によると、陳さんが薬を買いに出かけようとしたところ、張さんに止められて口論となり、陳さんは家から刃物を持ち出して、張さんを刺したとされています。
地元住民は、「1月19日から居住区が封鎖され、長期にわたる外出制限により、住民は感情的になりやすく、情緒が不安定になっている」と述べています。
今回起きた刺殺事件は報道された後、多くのネットユーザーの間で話題となりました。「疫病が人々は狂わせている」「防疫対策が粗暴である」「防疫措置を考え直すべきだ」「在宅期間が長期化したため、みな神経質になっている」
ネットユーザーのコメントには防疫ボランティアスタッフに同情する意見も多く見られました。「ボランティアスタッフも、危険と隣り合わせになりながらも、みんなのために奉仕している。被害者も加害者も、極端な防疫対策下における犠牲者となった」
瀋陽市で最初に感染が確認され、「スーパースプレッダー」であるとして、非難の的となっていた尹さんは1月30日、感染症により死亡し、2月3日に尹さんの息子が公表しました。しかし、1月28日から2月2日までの遼寧省衛生健康委員会からの公式発表によると、感染症による新たな死亡者数はゼロとなっています。これは中共が疫病状況に関する情報を操作していることを示す新たな一例となりました。
尹さんの息子が投稿した公開書簡では、尹さんが韓国より帰国した後の行動歴について詳細に説明しており、母親の尹さんは政府の指示に従って隔離され、身隠れしているとの公式発表とは状況が違っているとし、政府の尹さんに関する発表があってから、尹さんと尹さんの家族はネットユーザーによる人肉捜査と誹謗中傷に一時期苦しんだと説明しました。