ブリンケン米国務長官は2月5日、中共のトップレベルの外交官、楊潔篪(よう・けつち)氏と初めて電話会談を行いました。ブリンケン長官は、新疆ウイグル自治区、チベット自治区、香港の人権を擁護し民主主義的価値観を守るために立ち上がり、台湾海峡両岸の安定と平和を守る責任も含め、中共が地域に与えている脅威を追求すると述べました。しかしこれらの内容は中共の公式発表には記載されていません。
2月6日、ブリンケン米国務長官は中共外事工作委員会弁公室の楊潔箎主任と初めて電話会談を行いました。この会談はバイデン政権発足から10日の間に米中間で行われた最高レベルの対話となり、ブリンケン国務長官は政府の公式ツイッターアカウントに、この電話会談を通じて楊潔篪主任に対し、米国は国益と民主主義的価値観を守るために立ち上がる用意があり、中共は国際システムの濫用に責任を負う必要があると表明しました。
その一方で、米中双方が発表した内容はかなりの食い違いを見せています。中共は、台湾問題は米中関係において最も敏感な核心的問題だとする従来の主張を繰り返し、ブリンケン長官が安定的かつ建設的関係性を望み、相互に歩み寄って、引き続き一つの中国と三つの共同コミュニケを堅持すると述べたと発表するにとどまり、同長官が中国は国際システムの濫用に対する責任を負うべきだと発言したことについては触れていません。
2月4日、バイデン大統領の就任以来、米国のミサイル駆逐艦ジョン・S・マケインが台湾海峡を初めて航海しました。米国防総省報道官は、この計画は国防総省長官の正式な署名を必要とせず、その目的は航行の自由を支持することだと述べています。
米国防総省 ジョン・カービー報道官
「(米国駆逐艦の台湾海峡航行は)国防総省長官の署名を必要としない。米国はインド太平洋地域において多くの義務を負っており、(そのうちの一つが)すべての国が国際法に則って航行する権利と自由を有している(ことに対する支持を強化することだ)。これが、われわれが航行の自由の行使を継続する理由だ」
米軍駆逐艦の台湾海峡航行は、バイデン政権が中共軍機の台湾接近行為に対し初めて行った実質的な警告だと諸外国から解釈されています。しかし、中共は最近頻繁に国境問題について米国に対する宣伝活動を行っており、米国が中共に対しどのような強硬姿勢を取るのかについて、各国から注目が集まっています。