トランプ前政権はイランとイランが支援するテロ組織を中東最大の脅威と見なしていました。しかし、バイデン政権の行動は異なった方向を示しています。トム・コットン(Tom Cotton)上院議員は、バイデン政権はイランに迎合し、オバマ元政権の誤った政策と同じ過ちを繰り返していると批判しています。
バイデン政権は2月5日、イランが支援するイエメンの反政府武装組織フーシ派を、外国テロ組織(FTO)及び特別指定国際テロリスト(SDGT)から指定解除する方針を固め、連邦議会に通知しました。
これに先立ち、バイデン氏は「米国は反政府勢力のフーシ派に対するサウジアラビア主導のイエメン内戦をもはや支援しない」と発表しました。
コットン上院議員は、バイデン政権はイランの機嫌をとっており、オバマ政権の過ちを繰り返していると批判しました。
コットン上院議員は6日の声明で、バイデン大統領とブリンケン国務長官がフーシ派に友好を示すことで平和を願うのは「愚かなことだ」と述べました。フーシ派は長年、停戦協定を無視し、米国の輸送船乗組員やイエメンの民間人をミサイルで襲撃しており、 バイデン政権はオバマ政権の致命的な過ちを繰り返していると指摘しました。
イエメンのフーシ派武装組織は、イランのイスラム革命防衛隊とシーア派組織ヒズボラによって訓練され、武器や装備の提供がされています。彼らは「アラーは至高だ。米国に死を、イスラエルに死を」のスローガンを掲げています。
トランプ前政権では、イランを中東最大の脅威と見なし、イスラエルとサウジの同盟国を支援するために、イランの「イスラム革命防衛隊」やフーシ派を「テロ組織」に指定し、制裁措置を講じました。しかし、バイデン政権の現在の行動は、米国がイランに対して和解を示しているようにも見受けられます。
イランの最高指導者ハメネイ師は2月7日、イランが2015年の核合意に立ち戻るためには、米国がまず制裁を解除すべきだと示し、この決定は「絶対であり変わることはない」と強調しました。
アントニー・ブリンケン国務長官は2月5日、英・仏・独の外相とイラン核合意の履行再開について意見を交換しました。