トランプ後の時代に、トランプの名が共和党にとって何を意味するのか?最新の世論調査がヒントを与えています。
1月のYouGov調査によれば、共和党支持者の中で、トランプ支持者が占める割合は非常に大きいのですが、ただしイデオロギー上の違いは、ある程度存在しています。
倫理・公共政策センター / ヘンリー・オルセン
「トランプ氏に投票した人々の3分の2は共和党支持者というよりトランプ支持者だと答えている。しかしこれを裏返せば、34%はそうではないということだ。調査報告から見て取れるように、保守派のイデオロギーの自覚が強いほど、共和党支持者というより、ドナルド・トランプ支持者だと答えた人の数は多く、割合は大きい」
トランプ支持者の意識は「非常に保守的」「保守的」「中間ないしリベラル」に分かれます。調査監督のヘンリー・オルセン氏によれば、トランプ支持者の中で一番多いのは「保守的」と答えた人です。「非常に保守的」と答えたのは、トランプ支持者の29%しかいません。
注目すべきは、トランプ支持者の23%が、2012年のオバマ支持から、2020年のトランプ支持へ移行したことです。彼らは、元からの共和党支持者と比べ、貿易に関するトランプ氏の立場に賛同する傾向が強くあります。
倫理・公共政策センター / ヘンリー・オルセン
「トランプ支持者の相当数は、貿易に関するトランプ氏の立場に概ね賛成している。40%が貿易は、米国経済にプラスというよりマイナスだと言い、この割合は、支持政党を変えた人の方が大きい」
オルセン氏によれば、これはトランプ氏の貿易の考え方が、伝統的な共和党の考え方と訣別したものだからです。オルセン氏は、貿易が米国人から職を奪うと考える点で、トランプ支持者は概ね一致していると付け加えています。
倫理・公共政策センター / ヘンリー・オルセン
「トランプ支持者の大多数は、貿易が米国人から職を奪うと信じている。貧しい労働者階層であれ、中産階層であれ、自らを中の上と意識する階層であれ、社会的階層にかかわらずだ。貿易をどのように考えようと、貿易が職を奪うと考える点では皆一致している。それが支持者の大半を支配する空気なので、共和党指導者たちもそれを無視するわけにはいかない」
中絶や同性婚の問題になると、トランプ支持者は、それぞれのイデオロギーに応じて意見が分かれます。一方、トランプ支持者を最も結束させるのは愛国心であり、偉大な米国という理念です。
倫理・公共政策センター / ヘンリー・オルセン
「今日、米国でキリスト教が脅威に瀕しているという認識は、トランプ支持者の89%が共有している。米国が世界で最も偉大な国であるか、それとも多くの偉大な国の一つである、というピュー・リサーチの問いに対し、民主党支持者の大半は後者だと答えるが、トランプ支持者の89%が、米国は最も偉大な国だと答えている。米国の偉大さが失われつつあると危惧する点でも、トランプ支持者は一致している。米国人は、米国を偉大にする諸々の理念を確信できなくなってきているか?90%がイエスと答えている。この点では、民主党から共和党に移ってきた人と、元からの共和党支持者の間に差はない」
共和党は、個々の経済政策に焦点を当てるより、国についての全般的な感情に焦点を絞ることで、トランプ支持者を繋ぎ留めて前進できると、オルセン氏は述べています。
調査から見て取れるように、トランプ支持者のかなりの部分が、共和党に不満を示しています。
NTD Japan