米上院議員の過半数が、トランプ氏の弾劾裁判を続けることは、合憲であるとしました。9日、長々とした討論の後、民主党側は最終的に過半数の同意を得ました。上院議員56人が、トランプ氏がもはや大統領ではない理由で弾劾裁判を止めてはならないという事に、賛成しました。反対票を投じた上院議員は44人でした。
検察官役の弾劾管理人を務めるラスキン下院議員は、大統領が離任直前に、罪を犯しても結果責任を免れることができると将来考えないよう、この弾劾裁判を行う必要があると論じています。
下院の首席弾劾管理人 / ジェイミー・ラスキン民主党議員
この弾劾裁判は、大統領たる者、外で何をしようが常に最善を尽くすべきだという教訓だ。従来の慣習「1月の例外」を打ち破る斬新な出来事になる。
ラスキン氏は、将来大統領になる資格をトランプ氏から剥奪する意味でも、弾劾裁判を行うことは重要だと述べています。しかし、弾劾が可決される見通しは低いようです。
トランプ氏を有罪とするには、弾劾管理人は上院の3分の2を納得させなければなりません。即ち、上院の67人が、トランプ氏が連邦議事堂での暴力行為の責任があると同意することで、共和党側の17人の議員が、有罪に投票する必要があるのです。
トランプ弁護団のブルース・キャスター弁護士は、ラスキン氏の主張は馬鹿げているとし、米国民が、誰を大統領に選べるか選べないかを、上院議員が決めるのは米国民に対する侮辱だと述べています。
トランプ側弁護士 / ブルース・キャスターJr.
私たちが、何故ここに集まっているのか、その本当の理由は何だろうか?本当は、下院の多数派が将来またドナルド・トランプという政敵と対決したくないからなのだ。それこそ私たちがここに集まった本当の理由だ。
現時点では、大多数の共和党議員は、この弾劾裁判が違憲であり、党利党略の茶番劇であるという、トランプ弁護団の主張に賛成しています。
トランプ側弁護士 / デービッド・ショーン
1月6日の連邦議事堂事件は、誰に本当の責任があるのか、それを本気で知りたいのであれば、当然まず捜査が完了するのを待つべきだろう。
しかし、上院の多数派は、弾劾裁判を否決するためにトランプ弁護団は、トランプ氏が暴力を扇動しなかったという弁論を準備しなければなりません。10日の正午、上院で両陣営の冒頭弁論が口火を切りました。
各陣営に16時間ずつ弁論の時間が与えられますが、証人が呼ばれるかは未定であり、証人が呼ばれれば裁判は長引くでしょう。
リンゼー・グラム上院議員は民主党側が証人を呼ぶなら、共和党側も民主党幹部を証人喚問すると述べました。過去に民主党幹部も同様に、公衆に向けて暴力の扇動と見なしうる扇動的発言をした実例を呈示する考えを示しています。
NTD Japan