トランプ前大統領の2回目の弾劾裁判も無罪が確定しました。バイデン大統領は暴力や過激主義を認めないと強調しましたが、トランプ氏の弁護士は弾劾裁判中に殺害をほのめかす脅迫を100件近く受けています。
米国上院は2月13日、トランプ前大統領の弾劾裁判に対する評決を行い、最終的に賛成者の数が2/3に達しなかったため無罪が確定しました。上院少数党院内総務のマコーネル議員は、トランプ大統領は1月6日の議会襲撃事件の責任を負うべきだと述べていましたが、今回の評決では無罪票を投じました。
上院少数党院内総務のマコーネル議員
「もしトランプ氏がまだ大統領だったら、下院の弾劾告発を実証できるかどうか真剣に考慮する。だがこの裁判のなかにこの問題は存在しない。なぜならトランプ大統領は前大統領であるため、弾劾裁判で有罪にすることは憲法上できないからだ」
今回の弾劾裁判の結果について、ペロシ下院議長は怒りを表明しました。13日の記者会見で、ペロシ議長はトランプ前大統領の有罪判決に反対した共和党上院議員らを「臆病者」と感情的に批判しました。
ペロシ下院議長
「我々が下院で見たものは、臆病者の共和党党員だった。彼らは今、他に選択肢がない」
ペロシ下院議長はさらに、マコーネル議員らが延期戦術を取り、トランプ大統領が退任するまで下院から提出された弾劾書を受け取らなかったとも批判しました。
共和党のグラム上院議員は、今回の弾劾裁判は違憲であるだけでなく、トランプ前大統領には1月6日の議事堂乱入事件に対する責任があると主張するマコーネル議員の発言にも同意しないと述べました。
共和党のグラム上院議員
「(トランプ元大統領の)1月6日の発言は政治的権利によって保護された発言であり、それが暴動の原因ではないと私は考えている。また(暴動は)彼を支持する7400万人の有権者を代表してもいない」
グラム議員は、共和党の将来について話し合うためトランプ氏との会談を計画していると述べており、彼はトランプ氏と共和党が協力して、2022年の中間選挙で共和党が返り咲けるよう支援することを望んでいるとしています。
バイデン大統領は弾劾裁判の終了後、トランプ前大統領の有罪を表明した7人の共和党議員を支持し、トランプ氏が「不正行為」を行ったとするマコーネル議員の話を引用して声明を発表しました。バイデン大統領はその中で「米国には暴力と過激主義という土壌はない」と述べています。
一方、トランプ元大統領の弁護士マイケル・ヴァン・デル・ヴィーン(Michael van der Veen)氏が12日に上院で同氏を弁護していたころ、フィラデルフィア郊外にある同弁護士の自宅が荒らされたほか、所属する弁護士事務所も嫌がらせを受けていました。同弁護士も自身の殺害をほのめかす脅迫を100件近く受けたと述べています。