最近、英国のエセックス裁判所の法廷弁護士らは「非常に信頼できる証拠」により、中国共産党がウイグル族に対してジェノサイド(大量虐殺)を実施していることを示す「マイルストーンのような意義を持つ」法的意見書を発表しました。
意見書には「『国際刑事裁判所に関するローマ規程』の第7条で定めるところにより、十分な証拠から中国共産党のウイグルに対する行為は「人道に対する罪」にあたる。強制労働、監禁などの方式で個人の自由を剥奪し、収容者に対して拷問、レイプ、強制的な避妊手術、迫害及び強制失踪などの犯罪を実施している」と記されています。
米国に本部を置く人権擁護団体・ウイグル人権プロジェクト(UHRP)の上級広報担当者のピーター・アーウィン(Peter Irwin)氏は、「この意見書が示すことからも分かるように、責任ある政府は中国(中共)を国際社会の普通の一員として扱ってはいけない」と述べました。
さらに、「来年2022年の北京オリンピックにしても、フォルクスワーゲン社が新疆ウイグル自治区の強制収容所から数マイル離れた場所に自動車製造工場を有していることにしても、政府とグローバル企業は、北京との関係を見直す必要がある」とも述べています。
英下院は2月9日、ブレグジット(英EU離脱)後の貿易法案を巡る一連の修正案について投票を行いました。その中には「ジェノサイド修正案」も含まれており、同修正案は以前下院でわずか11票の差で否決されていました。
改訂されたジェノサイド犯罪の修正案は最近、上院で3分の2以上の投票数を得て通過しました。対外事務全党議会グループのイムラン・アフマド・カーン(Imran Ahmad Khan)議長は、NTDの取材に対して、「修正案が両院で継続的に大きな支持を得ている」と述べました。
今回の修正案が可決されれば、英国の裁判所は対外的にジェノサイドの認定を下せる最初の国内裁判所になります。ジェノサイドと認定された場合、国務大臣により両院で審議が行われる動議を取りまとめられ、政府に行動計画を提案するよう要求することになります。行動計画の中には対象国との貿易交渉の中止や二国間貿易協定の無効などの措置が含まれる可能性があります。