最近、ビットコイン(BTC)価格の劇的な変動が注目を集めています。中国共産党に対する企業のエクスポージャーを評価する企業は、ビットコインの採掘事業(マイニング)が中国に集中していること、特に新疆ウイグル自治区を採掘拠点として利用していることが、ビットコインにモラルハザード(道徳的危険)をもたらしていると考えており、投資家らには熟考してから投資するよう注意を促しています。
今月、米大手電気自動車メーカー・テスラによるビットコイン15億ドル分の購入、またテスラCEOイーロン・マスク氏がビットコイン関連の発言から多くの投資家らの支持を得たことにより、ビットコインの価格は50%近くまで値上がりし、21日には一時過去最高値となる5万8000ドルまで高騰しました。23日4万5000ドル近くまで反落しましたが、24日の午前には5万ドルの大台まで回復しました。
一部のアナリストは、24日午前のビットコインの価格上昇は、米調査会社アーク・インベストメント・マネジメントの創業者兼CEOのキャシー・ウッド氏が加わったこと、また米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が22日に行った演説の中で言及された緩和がまだ終わってないことを示すインセンティブと関係しているのでないかと指摘しています。
ビットコインについて、ビル・ゲイツ氏は最近、暗号通貨は多くの電力を消費するため、楽観的ではないと強調しています。世界金融危機を予言したことから「Dr.Doom(ドクター・ドゥーム)」と呼ばれる経済学者のヌリエル・ルービニ氏は「ビットコイン価格の高騰は間違いなく大規模な操作と結びついている」と述べ、またビットコインには収入、用途、実用性がないため、物の数ではないと主張しています。
対中共エクスポージャー評価会社ストラテジー・リスクの創設者兼CEOアイザック・ストーン・フィッシュ氏は、米金融情報専門紙「Barron’s(バロンズ)」の中で、「ビットコインの採掘事業は中国の新疆に集中しており、ビットコインへの投資はモラルハザードをもたらす。ケンブリッジ大学公開のビットコイン電力消費量指数(CBECI)によると、2020年4月の時点でビットコイン採掘量全体のうち65%を中国が占めており、その半数以上36%を新疆が占めている」と指摘しています。
フィッシュ氏はまた、新疆には豊富な石炭の供給源があり、ビットコインの採掘事業のための安価なエネルギー源になっていると指摘しています。この地域は遠隔地にあり、現地で石炭を使って発電することで、他の地域よりも安価に利用できるというメリットもあります。
記事によると、中共は新疆においてジェノサイドを続けているため、新疆で生産される製品はすべて道徳上また規制上で高いリスクを伴い、投資家らは米政府当局者がこれらの理由からビットコイン取引への監視及び制限を強化する可能性に対し警戒する必要があるとしています。
米国は中国の事業体やデジタル製品への依存度を減らすため、米財務省により新疆で大規模な事業を展開するビットコイン採掘会社に対する制裁が発動される可能性があり、これもまた暗号通貨を保有するグローバル金融機関にとってリスクとなります。