著名な中国人臓器移植外科医の死亡が議論を呼んでいます。中共メディアは2月28日、57歳の外科医臧運金(ぞう・うんきん)氏が病院の建物から飛び降り自殺したと報じました。一方、病院側は死因の確認を拒否しています。
中共メディアはこの外科医を英雄として褒め称え、20年にわたる勤務期間中2600件を超える肝臓移植を行ったと報じています。中国のネットユーザーの中には彼の死に哀悼の意を表する人もいれば、疑問を投げかける人もいます。
あるネットユーザーはこの外科医が行った移植手術の数量を簡単に計算をしてみました。報告された数字を見ると、臧氏は毎年130件以上、つまり3日に1回のペースで肝臓移植を行っていた計算になります。別のネットユーザーは「これだけ沢山の肝臓はどこから来たのか」と疑問を呈しています。
臧氏が本当に自殺したのであれば、彼は中国の臓器移植外科医としては、初めてのケースではありません。中共メディアの過去の報道がそれを物語っています。2007年、上海にある中共軍関連の腎臓移植で有名な44歳の外科医李保春(りほしゅん)氏が病院から飛び降りて亡くなりました。
同じ軍病院に勤める44歳の腎臓・心臓移植外科医も2014年に病院の自室から飛び降り自殺しています。2010年、南京の軍病院で勤務していた国際的に有名な84歳の外科医黎磊石(れい・らいせき)氏が飛び降り自殺しました。中国科学院の報告によると、2004年までの10年間で黎氏のチームが行った腎臓移植件数は1000件を超えると言います。
同様の事例はこれだけに収まりません。
中共メディアは、彼らの自殺の原因を仕事上のストレスであると推定していますが、上記の外科医全員に共通点が一つあります。つまり、彼らは全員、中共の強制的な臓器摘出に関与したとして、西側諸国の人権団体により調査対象となっていることです。
2019年に、英国の民衆法廷は政治的反体制派や宗教的マイノリティを対象とした強制的な臓器摘出で中共が有罪であるとの判決を下しています。この対象には主に、瞑想を実践する法輪功学習者で、ウイグル人、チベット人、家庭教会信者等が含まれる可能性もあります。
民衆法廷は、法律や医療の国際的専門家で構成され、議長を務めたのはジェフリー・ナイス卿で、彼は旧ユーゴスラビアに対する国際戦犯法廷でも議長を務めました。
中国問題民衆法廷議長のジェフリー・ナイス卿
「民衆法廷のメンバーは、中国において良心の囚人からの強制的な臓器摘出が長期に亘って相当な規模で行われていることは合理的疑念を超えて確実であり、疑いの余地はないという点で全員一致した」
2020年12月、複数の米国議員は強制的な臓器摘出の制裁法案を議会に提出しました。
NTD Japan