山東省人権弁護士襲祥棟氏 司法庁により弁護士資格剥奪

中国の人権状況は悪化の一途を辿っています。最近、少なくとも4人の人権派弁護士が様々な口実により弁護士資格を剥奪されました。2月7日、襲祥棟(しゅう・しょうとう)氏の弁護士資格の取り消しに関する聴聞会では、主宰者が法律に違反したため、襲祥棟氏は聴聞を拒否しました。 翌日、山東省司法庁より弁護士資格剥奪の通知を受けました。

2月7日午前9時30分、山東省司法庁は襲祥棟氏の弁護士資格取り消し処分に関する聴聞会を開きましたが、公聴会の主宰者が資格証明書を提出しなかったため、襲祥棟氏と2人の代理人は聴聞を拒否しました。襲祥棟氏のこの行動は、ほかの弁護士やネットユーザーの間で支持と称賛を得ています。

山東省の弁護士 襲祥棟氏
「聴聞会主宰者の資格証明書の管理に関する措置の第8条では、証明書を提示する必要があることを明確に規定している。彼は証明書を持っていなかった。彼はインターネットで証明書が確認できると述べたが、オンライン文書は実物の証明書ではなく、真偽は見定め難く、オンラインでの確認は法律に準拠していないので、私は法律に従い聴聞会を拒否すると言った。聴聞会主宰者は、彼らの証明書はまだ作成中だと言ったので、私は“証明書が完成した時に、私を呼べばいい”と言い返した」

翌日、襲祥棟氏の元には山東省司法庁からの行政処分通知書が届きました。通知書には、昨年浙江省湖州市の吳興区人民法院で池慎剛(ち・しんごう)氏の暴力団関連の事件を弁護していた際、「裁判官の命令に幾度も背き、裁判官と検察官の発言を遮り続け、無断で発言した」などと記載されていました。

襲祥棟氏は、当局は彼が法廷の規律に違反したと言っているが、法廷の規律違反に対する処置は、その状況の深刻さに応じて、警告、訓戒、退廷勧告として扱われるべきであり、このことだけで弁護士資格剥奪の処分の決定が下されるのは不合理であると述べています。

山東省の弁護士 襲祥棟氏
「これは暴力団関連の事件で、(被告は)濡れ衣を着せられている。理由は一言で言うと、命令に従わず、裁判長の許可を得ずに発言したこと。裁判中に発言を要求しても、裁判長は無視するときがある。それでも発言しなければならないので、許可なしに無断発言を行ったと判断された。法廷の規律に基づくと警告を受けるはずだったが、この程度のことで、弁護士資格の取り消すなんて、これには何の道理もない。」

襲祥棟氏は刑事事件を担当する弁護士として、暴力団関連、人権擁護、および苦情申立てを含む多くのセンシティブな事件の弁護人を務めてきました。また、2015年中共当局による人権弁護士らに対する一斉拘束「709事件」で王全璋(おうぜんしょう)氏の担当弁護士を務め、記者会見が妨害されたため天津市河西公安局を訴えましたが、結局撤退に追い込まれました。

 
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