米国に本部を置く国際NGO団体「フリーダム・ハウス」は3月3日、2021年の年次報告書「世界における自由(Freedom in the World)」を発表し、210の国と地域の政治的権利と市民的自由度を分析しました。報告書では、中国は最も人口の多い独裁国家であり、中共は香港の民主主義と自由を抑圧するだけでなく、その悪影響を海外にも拡大していると指摘しています。
「フリーダム・ハウス」の調査・分析責任者であるサラ・レプッチ氏(Sarah Repucci)は、現在、世界の54か国が「不自由な国」と評価されており、これは過去15年間で最高レベルであると述べています。
フリーダム・ハウスの調査・分析責任者サラ・レプッチ氏
「民主主義が悪化し始めた2006年以降、『自由でない』に分類された国の割合が、最高レベルに達している。『自由な国』に住む人口は世界の25%未満である。これは大きな割合であり、1995年以来最も低い数字である」
報告書は、中国は世界で最も人口の多い独裁国家であると指摘しています。昨年の疫病発生後、北京当局は情報検閲を強化し、市民ジャーナリストを逮捕しました。これによって感染拡大に対する世界の対応が著しく妨げられました。さらに中共は、海外にまで人権侵害を拡大し、国連人権理事会までその影響を受けています。
フリーダム・ハウスの調査・分析責任者であるサラ・レプッチ氏
「中国(共)がもたらした(悪質な)影響は香港にとどまらない。北京当局は、最初の感染発生の隠蔽による結果に対処するために、偽情報の宣伝や検閲を強化している」
香港の自由度は2013年以降、急落しています。昨年、北京当局は香港国家安全維持法を施行し、今年1月にはさらに民主派55人を逮捕しました。
フリーダム・ハウスの調査・分析責任者であるサラ・レプッチ氏
「北京当局は香港をほぼ完全にコントロールしており、香港国家安全維持法を利用して民主派数十人を逮捕し、香港立法会選挙は1年延期されたようだ」
フリーダム・ハウスは報告書の中で、「これらの動向は、香港の中共に対する抗議行動の代償が急激に上昇し、権威主義の流れを変える可能性がますます低くなっていることを表している」と述べています。
NTD Japan