米大学校内に55か所 孔子学院への規制強化の新法案可決

諸外国の大学などに設置されている孔子学院閉鎖が続いています。中共の対外プロパガンダ機関である孔子学院は、全米で今年少なくとも4つが閉鎖されます。共和党のジョン・ケネディ上院議員をはじめとする連邦議会議員は、孔子学院への規制を強化するための法案を進めています。

米ケンタッキー大学(The University of Kentucky)は3月3日、国防総省による科学研究助成金を失う恐れがあるとして、孔子学院の閉鎖を発表しました。ケンタッキー大学は過去5年間で、国防総省の教育資金として約5000万ドル(約54億円)を受け取っています。孔子学院を閉鎖する動きはこれだけではありません。他にも3つの公立大学が、年内に孔子学院を閉鎖することになっています。

米共和党上院のジョン・ケネディ議員
「中国(共)の権威主義政権の支配下にあるこれらの機構は、自由な意見交換を許さない。基本的に彼らは中共を代表しており、孔子学院は中共政権の宣伝道具だ」

米連邦議会議員も、中共の孔子学院の規制を強化するための法案を推進し続けています。3月4日、連邦議会上院は全会一致で「孔子学院法案(CONFUCIUS Act)」を可決しました。

この法案は、米国の大学側が主導権をもたずに孔子学院を開設している場合、その教育機関に連邦資金を投入するのを禁止するものです。この法案が上院で可決されるのは今回で3回目となります。共和党のジョン・ケネディ上院議員は下院にも法案を検討し、大統領の署名を求め、提出するよう呼びかけています。

米共和党上院のジョン・ケネディ議員
「中国共産党は中国だけでなく、全世界を呑み込もうとしている」

トランプ前政権は、中共の米国学術分野への浸透に対して様々な対策を講じました。2018年、孔子学院を設置している大学への資金提供を禁止する「国防権限法(National Defense Authorization Act/NDAA)」に署名し、2020年には、国務省が米国内の孔子学院を統括する「孔子学院米国センター(Confucius Institute U.S. Center)」を中共の在外公館に指定しました。同年10月、マイク・ポンペオ前国務長官は、「年末までに米国内の孔子学院をすべて閉鎖することを期待する」と述べました。

非営利団体「全米学識者協会(National Association of Scholars/NAS)のデータによると、2021年2月17日現在、全米にはまだ55の孔子学院があり、64の孔子学院がすでに閉鎖されています。

しかし、バイデン氏は大統領就任後すぐに、大学や小中学校などの教育機関が孔子学院と契約や提携している場合は報告を義務付けるトランプ前政権の行政命令(大統領令)を取消しました。

 
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