軍事政権への抗議が続くミャンマーで、3月11日、国軍の発砲などによって、少なくとも民間人11人が死亡しました。 国連特別報告者は、軍政権による殺害が70人を超えたと明らかにしました。一方、拘束された国家最高顧問のアウン・サン・スー・チー氏にはさらに多くの容疑がかけられています。
ミャンマー各地では3月11日にも、国軍のクーデターに抗議する大規模デモが行われました。強制排除のために軍が発砲し、少なくとも11人が死亡しました。チット・ミン・トゥ氏も銃撃を受けて死亡したデモ参加者の一人です。彼には妻と娘、そして生まれてくる子供がいました。
亡くなったデモ参加者チット・ミン・トゥ氏の妻のAye Myat Thuさん
「彼は、このために死んでも価値があると言っていた。人々がデモに参加しなければ、民主主義が戻らないのではと心配していた。彼は民主主義を気にしていた。今、彼はもういない。私はいまだに彼の遺体と会うことができない」
2月1日にミャンマーの国軍が軍事クーデターを発動して以来、軍の発砲などによって既に70人以上の市民が死亡しました。
一方、軍事政権のスポークスマンは11日の記者会見で、ミャンマー軍は規律正しく、必要な場合にのみ武力を行使すると強調しました。また軍事政権は、総選挙が再開されるまでの短期間の執政であり、再選挙後は民主的に選出された新政府に政権を移行すると繰り返しました。
同日、ミャンマー軍事政権は、拘束しているアウン・サン・スー・チー国家顧問を汚職の疑いで捜査していると明らかにし、スー・チー氏が2017年12月から2018年3月にかけて、ヤンゴン管区元首相から60万ドル(約6500万円)と11キロの金塊を受け取ったと非難しました。
3月10日、米財務省は、ミャンマー軍事政権指導者のミン・アウン・フライン氏に続き、その子供2人を制裁対象に指定し、米国内のすべての資産を凍結するなどの経済制裁を発表したばかりです。