バイデン政権は3月18日に中共との対話を行う予定ですが、トランプ政権時代に国務長官を務めたポンペオ氏はFOXの独占インタビューに対し、自身の米中対話の経験に基づいてバイデン政権に、中共に対し一連の行動をとるよう促しました。
バイデン政権の国務長官と国家安全保障会議顧問は、3月18日にアラスカで中共の楊潔篪(ようけつち)氏と王毅外相との会談を予定しています。ポンペオ元国務長官は11日にFOXの独占取材に対し、ポンペオ氏自身も中共との対話を行ってきたが、中共はウィンウィンを口にしても実際にはそうではないと述べています。
ポンペオ元国務長官(2021.03.11)
「私は何度かこれらの対話を行った。我々は対話したが中共は一歩も譲らなかった。中共はウィンウィンを口にするが、私は彼らが『勝つか負けるか』を重視するようすしか見たことがない」
ポンペオ元国務長官は、中共が譲歩することはなく、中国西部で行われているジェノサイドや、香港と交わした約束の反故、台湾への威嚇、事実を隠してウィルスを世界に拡散させたことによって多くの死亡者を出し、財産が失われる結果となったと述べました。米国政府は過去に中共に頭を下げて屈服したが、トランプ政権は先に述べた中共の多くの脅威に40年ぶりに勇敢に立ち向かった政府だったとも述べています。ポンペオ元国務長官は、バイデン政権が一連の行動を起こして中共に米国は本気だと知らしめるよう望んでいます。
ポンペオ元国務長官(2021.03.11)
「これらはすべてバイデン政権が直面する必要がある。対話はその選択肢の一つだ。だが政府は一連の行動によって、中国共産党に米国は本気なのだと知らしめる必要がある。まさにトランプ政権の発足当時のように」
ポンペオ元国務長官は、バイデン政権は中共やイランに対する行動が不十分だと考えています。
ポンペオ元国務長官(2021.03.10)
「バイデン政権がイランに対し妥協し始めていることが分かった。我々は、バイデン政権がまだ十分な行動を起こしていないことが分かった。(例えば)中国がマイクロソフトのエクスチェンジサーバーに大規模なハッカー攻撃を仕掛けたことに対する対応などだ」
3月12日にバイデン大統領は日本、インド、豪州の首脳とビデオサミットを開催しました。ポンペオ元国務長官は昨年、クワッド(QUAD)体制の強化に奔走しましたが、さらに重要な点はその後の行動であり、今回の四か国サミットで各国が協力して中共に対する行動と計画を発表することを望んでいると述べました。
ポンペオ元国務長官(2021.03.10)
「私は四か国の首脳が集まって、中国共産党に『それは容認できず、受け入れることはできない。もし中共がこの路線を継続するのであれば、我々は中共に本当の代価を支払わせる』ということをはっきりと表明するための共同行動と行動計画を発表することを望んでいる」
国際社会では中国の2022年冬季オリンピックをボイコットする動きが起きています。中共の「香港版国家安全法」も選手に影響を及ぼします。ポンペオ元国務長官は、安全面に疑念があるのは確かだとして、言論の自由を行使すれば、中共から「中国共産党を侮辱した」「国家安全維持法に違反した」とみなされる恐れがあると述べています。
ポンペオ米国務長官(2021.03.11)
「あなたが米国で憲法修正第一条の権利(言論の自由)を行使すると、中国で逮捕や拘禁といった脅威に直面するのは事実だ。米国の選手が中国で出入国を安全に行えるかどうかについては本当に疑念が存在する」