マイクロソフトへの大規模サイバー攻撃 非難声明を出さないホワイトハウス

ホワイトハウスは、世界中の数十万人の顧客に影響を及ぼす、マイクロソフト社へのハッッキング攻撃について情報収集を進めています。まだハッカーを特定するには至っていませんが、間もなく特定できるだろうと述べています。

米国家安全保障担当大統領補佐官ジェイク・サリバン氏によれば、米国はマイクロソフト社が提供する企業向け電子メールソフトのエクスチェンジサーバー(Exchange Server)への大規模なハッキング攻撃に対し、緊急対応していると言います。

ジェイク・サリバン氏は、事件発生から1週間経過した現在も、ハッカー集団が、一部のマイクロソフトの「エクスチェンジ・システム」内に侵入していると述べています。

国家安全保障担当大統領補佐官/ジェイク・サリバン
「これは現在進行形であり、私たちは情報収集と、影響が及ぼされる範囲と規模を特定するために調査を進めている。これはきわめて重大な問題だ。攻撃を仕掛けているのが敵対国家であれ、ランサムウェア(コンピュータウイルス)を放つハッカーであれ、この脆弱性に付け込まれ攻撃された。情報を窃取されたシステムの正確な数を、早急に民間企業と共同で確認作業を進めているところだ」

ジェイク・サリバン氏は、幾つかのハッキングが新たな「サイバー・ワーキング・グループ」を立ち上げるきっかけとなったといいます。それは即ち、マイクロソフト社とソーラーウィンズ社に対するハッキングであり、またそれと連動しアジアの安全保障や経済協議の枠組みである「クアッド(Quad)」の加盟国へのサイバー攻撃です。

「クアッド」を構成するのは米国、日本、インド、豪州の4か国です。この4か国は、国家が支援するハッカー等からのサイバー攻撃に直面するという、共通の問題を抱えています。

マイクロソフト社へのハッキング攻撃の背後には中共がいると言われていますが、ホワイトハウスはまだそれを公式に認めていません。

国家安全保障担当大統領補佐官/ジェイク・サリバン
「誰がこの攻撃を仕掛けたのか、現段階ではまだ明確にすることはできないが、近いうちに発表すると約束する。私たちは証拠隠滅せず、誰が攻撃を仕掛けたのかについて、私たちの見解を堂々と語るつもりだ」

ジェイク・サリバン氏はここで話題を転じ、ロシア野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏に毒を盛ったとされるロシアや、ワシントン・ポストのコラムニストのジャマル・カショギ氏を殺害したとされるサウジアラビアに対して、バイデン大統領が強硬姿勢で臨んでいると主張しました。さらに、中共に対してもバイデン政権は同様に、強硬路線を取っていると強調しました。

国家安全保障担当大統領補佐官/ジェイク・サリバン
「バイデン大統領が繰り返し述べているように、米国は最終的には中国(共)との苛烈な競争に突入すると思うが、私たちはこの競争に勝利する。バイデン大統領は、勝利のために必要な力を蓄えている。そして、それはジョー・バイデン氏が選挙運動の中で行ったすべての発言と100%一致している。大統領就任から50日が経過した現在、就任当初と比べて私たちは中国(共)の挑戦に対処する上でより有利な立場に立っていると思う」

マイクロソフト社へのハッキング攻撃について、サリバン氏は、これは最終的には民間企業に頼るしかないが、バイデン政権はそのために支援を行うと述べています。

 
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