昨年の大統領選挙でバイデン氏を支持したプロライフ福音派教会は、バイデン政権下で推進されてきた中共ウイルスの感染拡大に対応する1.9兆ドル規模の経済対策法案によりハイド修正条項が除外されたことを受け、自分たちは利用され裏切られたと表明しています。
妊娠中絶合法化反対を主張するプロライフ福音派は、バイデン氏が妊娠中絶問題、とりわけ「ハイド修正条項」への立場を一致させるという前提のもと、バイデン候補を公式に支持したと表明していました。
ハイド修正条項は、1976年に制定され、緊急性を要する場合を除き連邦政府の資金を中絶手術(人工妊娠中絶)の費用に充てることを禁止しています。しかし現在、ハイド修正条項が中共ウイルス対応の経済対策法案により除外されました。
バイデン氏を支持したプロライフ福音派は「利用され、裏切られた」と感じていると表明しています。3月7日、プロライフ福音派はバイデン大統領に次のような書簡を送りました。
「私たちは、国民が納めた税金が中絶のために拠出されることを禁止する、超党派の長年の合意事項である『ハイド修正条項』が、COVID-19対応の経済対策法案で無視されたことに非常に失望している。さらに、バイデン政権がこの法案を推進していることに驚きを禁じえない」
この書簡は、多くの宗教保守派から冷淡な反応を引き起こしました。プロライフ活動家のライラ・ローズ氏もその一人です。
ローズ氏は、Twitter上にバイデン政権について、「彼らを信じるなんて軽率の極みだ」と投稿し、バイデン氏を詐欺師の親玉と呼んでいます。
先月、ローズ氏はNTDのインタビューを受けた際、バイデン大統領は自身の信仰を隠れ蓑として利用しているため、多くの米国人は中絶に関するバイデン政権の極端な立場に気がついていないと述べました。
プロライフ活動家/ライラ・ローズ氏
「バイデン大統領は、中絶を推進する彼の極端な政策の隠れ蓑として、キリスト教を利用している。これはまったく最低の嘘だ」
先月、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は定例記者会見で、救済法案で税金を中絶手術に拠出しないことをプロライフ派の米国人に約束できるかと質問されましたが、サキ氏は明言を避けました。
ホワイトハウス報道官/ジェン・サキ氏
「先程指摘した通り、国民の4分の3は経済対策法案を支持しており、パンデミックの収束を望んでおり、人々が職場に復帰しワクチンが首尾よく配布されることを望んでいる。これがあなたの質問の答えになると思う。次の質問は?」
カトリック教会奉仕団体のコロンブス騎士団とニューヨーク州に位置するマリスト大学が1月27日に実施した合同世論調査によると、米国民の58%が米国で税金を中絶手術に拠出することに反対しています。
経済対策法案は、3月10日に米下院で票決が行われ、可決されました。バイデン氏を支持したプロライフ福音派は、バイデン大統領が約束を守り、直ちにハイド修正条項を経済対策法案に適用するよう下院に要求すべきだと主張しています。
NTD Japan