米下院で移民関連2法案可決 「ドリーム法案」は2度目

米下院は3月18日、2つの移民関連法案を可決しました。9人の共和党議員が民主党とともに賛成に回り、228対197で、ほぼ民主党原案通りの可決となりました。

民主党は、法案の可決は思いやりのある行動だと主張していますが、共和党議員はこれにより犯罪者に市民権を与えることになり、国境に殺到する移民の問題が長引くのではないかと懸念しています。

ナンシー・ペロシ下院議長
「ドリーマーたちを讃えることをいつも嬉しく思っている」

米下院は18日、移民関連の2本の法案を可決しました。うち、ドリーム法案は、幼少期に親に連れられて不法入国したドリーマーと呼ばれる数百万人の若い不法移民を合法化するものであり、もう一つの法案は農業に従事する不法労働者に米市民権の獲得の道を開くものです。民主党は、これらの法案は人道的に入国管理を改革するものだと主張しています。

ジェロルド・ナドラー下院議員
「過去4年間の悲惨で残虐な非人道的移民政策に幕を閉じた。今日、私たちは新たな章を始める」

一方、共和党のマイク・ガルシア議員は、この法案は「壊れた水道管を修理せずに、漏れた水を拭く」ようなものだと例えました。他の共和党議員は、これらの法案がギャング集団「MS-13」のメンバーを含む犯罪者にもグリーンカードを与えることになると懸念しています。

国境に押し寄せる移民をさらに増やすだけだと危惧する声も聞かれました。

グレッグ・スチューブ下院議員
「民主党議員がドリーマーについて語りたい理由は明白だ。米国人は米国に連れて来られた罪のない子供たちに同情しているからだ。しかし民主党議員は口をつぐんで触れようとしないが、ドリーマーが市民権を獲得できるようになれば、米国のチェーン・イミグレーション制度により、彼らだけでなく、曾祖父母、祖父母、従兄弟、甥、叔母や叔父に至るまでの家族全員が合法的に米国市民になれる。これが、コヨーテ(手引き人)などが子供を連れてくる理由だ」

ケビン・マッカーシー下院少数党院内総務は、バイデン大統領が国境への視察を断ったため、18日にバイデン氏に2通目の書簡を送り、自分が国境で見てきたことを伝えたと示しました。

これらの移民関連法案は、前回の連邦議会で下院を通過しましたが、当時、共和党が多数を占める上院で阻止されました。しかし今回、上院でこれらの法案を阻止するには、フィリバスター(議事妨害)を活用するしかないと思われています。

 
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