人々の日常生活に、水は欠かせない存在ですが、現在全世界の水質汚染が深刻な問題となっています。2050年には世界人口の半数以上の人が水不足の地域での生活を強いられることが予想されています。
こちらは、ブラジル最大の都市サンパウロのチエテ川の様子です。毎日、数百トンの未処理の生活排水と工場廃水がチエテ川に流されます。
廃棄物で覆われたこちらの川は、インドネシアのジャカルタ市東部にあるチタルム川です。川沿いの2500万人の住民に水を供給するチタルム川は、地域の農業、漁業、工業、電力供給を支えています。
人文地理学の専門家によると、農業用水や工業用水は、飲料水が不足している地域に集中しています。
英国のポーツマス大学(University of Portsmouth)ジュリア・ブラウン(Julia Brown)教授
「我々が食物や、衣類を買う時には意識してないが、これは他の地域から水資源を輸入する行為である。例えばアボカドやジーンズを輸出する国は、通常水が非常に不足している国である」
国連のデータによると、世界の約40億人が毎年少なくとも1か月間は極度の水不足問題に直面しており、世界の約4分の1(約16億人)に達する人口が清潔で安全な飲料水の供給に問題を抱えています。
国連によると、水不足の問題は深刻化しつつあり、2050年には世界人口の半分以上の人が慢性的な水不足の地域での生活を強いられることになります。
地理学の専門家は、清潔な飲料水へのアクセスを拡大することは重要であるが、一部の貧困地域において既存の水資源を保護することがないがしろにされていると述べています。
ジュリア・ブラウン教授
「民間組織は新しい手動給水ポンプと写真を撮るだけで、あとは施設を地元の人々に任せ、地元の人が資金調達しメンテナンスや修理を行う。しかし、しっかり修理できているのか?研究によると、緯度がサハラ砂漠以南にあるインドの地域では、手動給水ポンプの3分の1が壊れている」