バイデン政権初の米中会議で繰り広げられた中共外交部による米国への批判の応酬が激高しています。3月23日、中共外交部の華春瑩(か・しゅんえい)報道局長は、中共の新疆ウイグル自治区の強制労働問題を再び否定しました。
華春瑩氏は、19世紀の100年以上も昔に撮影された米国で綿花を摘む黒人奴隷の写真を引き合いに出し、批判の矛先を米国に向けました。
華春瑩氏の主張によれば、この写真は強制労働が米国の問題であって、中国の問題ではないことを示す証拠であるといいます。中国の綿花の40%は機械で収穫されており、強制労働で綿花を摘む人はいないと指摘しました。中国における言論の自由にも言及して、華春瑩氏は中国国民にも、意見を表明する自由があると述べました。
それと同時に華春瑩氏は、非難の矛先を外国企業に向け、中国人が外国人に中国のご飯を食べさせないときにはご飯茶碗も叩き壊すという中国の諺を引き合いに出しました。そこには、中国人が他国に中国から利益を得ることを許さないときには徹底的に対決するという意味が含まれています。
すべての中国人がそうであるかのような言い方ですが、必ずしもすべての中国人がそれに同意しているわけではありません。
ある市民はこれを受けて次のようにツイートしています。
「私は(中国の)一市民だ。私も自分の意見を自由に表現する権利がほしい。ネット検閲を受けずに(国外からの)ニュースを見たいものだ。警察から出頭命令を受けずに指導者たちを批判してみたい」
別のネットユーザーは、中国の綿花の40%が機械で収穫されているのだとすれば、他の60%は人の手で摘んでいることになると指摘しています。
ある別のユーザーは、華春瑩氏が示した別の写真は新疆ウイグル自治区の写真だが、それは本当に同地区の実情を示しているのか疑わしい。中共政府の脅威の下に置かれた人々が、自分たちで撮った写真を政府に渡すはずがないと述べています。
さらにまた別のユーザーは「現在の中共と2世紀も前の米国の奴隷の所有者を比較するなんて困ったもんだ」とツイートしました。
華春瑩氏の発言は、米国の対中制裁など、両国間の紛争の中で行われたものです。
NTD Japan