米国の南部国境には連日大量の不法移民が押し寄せており、逮捕者も急増しています。しかし、国境警備隊の追跡から逃れて米国に不法入国する人も急増しています。一方、警備隊員は逼迫する収容施設のために、国境から移動させられているといいます。
米国境警備隊(USBP)のラウル・オルティス副隊長によると、2021年だけで、10万人を超える不法移民が国境警備隊の追跡を逃れ、米国に不法入国したといいます。
オルティス氏は、今年米国とメキシコの国境に押し寄せてくる不法移民の数は100万人以上に達するだろうと推定しています。4月5日、オルティス氏はFOXニュースの報道番組「America’s Newsroom(アメリカズニュースルーム)」で、この数字には「逮捕を逃れた者」は含まれていないと述べています。
米国の調査報道非営利団体「Project Veritas(プロジェクト・ヴェリタス)」は、先月匿名の国境警備隊のとのインタビューを公開しました。この国境警備隊員は、不法移民らが国境警備隊からの拘束を逃れるために使う手口を説明するビデオも提供しました。
Project Veritasの創設者 ジェームズ・オキーフ氏
「こういうの見たことありますか?」
国境警備隊員
「はい。 例えば、ここで一人をジャンプさせ、警備隊員に彼を追わせて、別の場所で3〜4人がジャンプする。おとりに使った者たちはどうせ庇護されるのだから、気を散らせる者として使うのだ。彼らは家族単位なので、私たちは彼らにバスのチケットを渡して入国させるだけだ」
また警備隊員は、「最も危険な不法移民は、捜査官が「おとり」とされる家族単位の集団への対応に忙しくしている間に忍び込んでくる」と述べています。
国境警備局は4月5日、以前に第二級殺人罪で有罪判決を受けたことのあるメキシコ人を、米国とメキシコの国境付近で逮捕したと発表しました。
彼の逮捕は、国境を超えてきている中で数多くいる犯罪者の一人を拘束したにすぎません。テキサス州公共安全局は今年3月だけで、米国への不法入国を試みる犯罪者598人を逮捕しました。
エポックタイムズも3月に、国境警備員に話を伺いましたが、彼も不法移民からの襲撃を恐れて身元を公開しませんでした。
彼によると、逼迫している状況下にある保護施設に力を貸すために国境警備員が国境から移動させられているため、密輸業者や麻薬カルテルは、警備が手薄な場所に麻薬や密入国者を移動させているといいます。
この国境警備員は「私たちは、得ることよりも失うことの方が多い。それは明らかだ」「我々の防御力は低下している。だから、彼らは今が来るべき時だと知っている」と述べています。