薬物リハビリセンターの設立を検討 市民 犯罪の助長を懸念=米サンフランシスコ

米サンフランシスコのロンドン・ブリード(London Breed)市長は近日、麻薬中毒者のために使用量に関する指導を行うため、薬物リハビリセンターを設立する計画を発表しました。これに対し、地元住民は不満を示し、人々の生活に危険がもたらされるのではないかと懸念しています。

4月13日、サンフランシスコのブリード市長は、薬物リハビリセンターに関する初歩的な計画を発表し、市内の1076ハワードストリート(1076 Howard Street)にある建物を薬物リハビリセンターとして指定しました。

報道発表によると、薬物リハビリセンターは、ホームレスや薬物中毒者の間で多発している薬物の過剰摂取による死亡を防ぐため、覚せい剤のメタンフェタミンや麻薬性鎮痛剤のフェンタニルなどの薬物の使用量を制御することを目的としています。

こうした中、一部の市民は薬物リハビリセンターが開設されると、ただ薬物を供給するだけの施設になるのではないかと懸念しています。

薬物リハビリセンターの計画では、20の病床を設置し、24時間年中無休でサービスを提供するとしています。また、薬物中毒者は薬物リハビリセンターに平均8〜10時間滞在することができます。

報道発表によると、薬物リハビリセンターには麻薬を使用した経験がある医療スタッフを配置しています。

薬物リハビリセンターの計画では一時的な費用として200万ドルが投入され、年間の運営費は420万ドルに達するとされています。

昨年、ニューヨーク市のチャイナタウンの周りに4つの薬物リハビリセンターが設立されてから、麻薬中毒者が頻繁にトラブルを起こし、犯罪を犯していると地元住民が訴えていました。そのようなこともあり、サンフランシスコの市民は薬物リハビリセンター周辺の治安が悪化するのではないかと懸念しています。

サンフランシスコの監督委員会が建物の賃貸を承認した場合、サンフランシスコ当局は薬物リハビリセンターのオープンに向けて、今年の秋から建物の改修を開始するとしています。

 
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